
ご無沙汰しております。P-GEN(@lukthungmolamfc)です。
気がついたら、2ヶ月も更新していませんでした。
その間、新宿のタイレストランで月1のDJをやっていたり、ブログ開設10年目という事で、読者の方々とMVを観ながらおしゃべりするイベントをやったりと色々活動はしていたのですが、それを理由にしてブログの方はサボってしまっていました。
その間、当然ルークトゥンモーラムの新曲は次々とアップされていて、しかも良い曲が沢山あって、こりゃまずいと慌ててこの記事を書いている次第です。
という訳で、ブログを更新していなかった2~3月に公開された曲の中から、当方が独断と偏見で選んだ注目曲を各月5曲、計10曲ピックアップしまして、ご紹介したいと思います。
選んだ基準はコンサートで歌われる事が多い曲を中心にしておりますが、必ずしも再生回数の多さと比例している訳ではございませんので、その辺はご了承ください。
順番は公開日順に紹介しています。
では、まず2月編から。
目次
ナーン・サオ・サー/トゥッキー・スダーラット
まず1曲目はコメディアンのトゥッキー(ตุ๊กกี้)がモーラムに挑戦した曲です。
いきなり自分の設けたルールに反していますが、この曲は1月18日に公開された曲です。
テレビ番組「モーラム・ファン・ペット(หมอลำฝังเพชร)」のMCも務める彼女。以前からモーラムが好きな事はその行動で充分分っていましたが、ついに自身で歌までリリースしました。
この曲の前にトゥッキーがオリジナルの歌を歌っていたかどうかは分りませんが、これがコメディアンの片手間とは思えないほど、しっかりした歌になっています。
さすがモーラム愛の溢れる彼女。本職の歌手にも勝るとも劣らない見事な歌を披露してくれています。
現在、この曲は沢山の歌手にカヴァーされていて、ラムヤイ・ハイトーンカムをはじめ、バイポー・ラッティヤーなどもコンサートで歌っています。
また、MVはまだ作られていませんが、トゥッキーがゲスト出演したテレビ番組「マイトーンカム・デック(ไมค์ทองคำ เด็ก)」で歌を披露した際の動画が面白いので、あわせて紹介しておきます。
この番組はマイトーンカムの子供版なのですが、トゥッキーは子供に扮して登場しております。
彼女の歌が素晴らしいのはもちろん、旧知の仲であるパネラーのノート・チューンイム(โน๊ต เชิญยิ้ม)さんとのやりとりも面白くなっています。
ポー・サム・ニー/バイポー・ラッティヤー
バイポー・ラッティヤー(ใบปอ รัตติยา)に関しては、このブログで触れるのはこれが初めてでしたっけ?ちょっと思い出せないんですが・・・。
念のために彼女の事に簡単に紹介しておきますと、バイポーは「ロットヘーの女王」とよばれる、イサーンでは絶大な人気を誇る歌手です。
2018年10月にイサーンを周って沢山コンサートを観て来たのですが、運良く彼女のコンサートを観る機会がありました。
その人気は噂には聞いていたのですが、実際にステージを観て、その実力の高さはもちろんパワフルな歌やテンションの高さに、なぜ人気があるのかが充分過ぎるくらい分りました。
◆2018年10月15日、ウドンタニーで観たバイポー・ラッティヤーのステージ
しかし、彼女にはひとつ足りないものがありました。それはオリジナルのヒット曲です。
以前オリジナル曲を出した事はあるのですが、ヒットするまでには至らず、ロットヘーで歌い始めたところ、これが評判を呼び人気歌手となったのです。
通常歌手の人気が出るパターンはオリジナル曲が売れて、名が知られるという過程が一般的ですが、バイポーの場合はカヴァー曲を歌っているだけでここまで人気が出たという事は、それだけ歌の実力が高かったという証拠でもあります。
そんなバイポーが満を持してリリースしたオリジナル曲が、今回紹介する「ポー・サム・ニー」です。公開日は2月15日。
作詞・作曲はロットヘーやラムシンのステージでバイポーの相方を務めているタイ・パヤーチャイ(ไท พญาชัย)です。
カヴァーだけでなくオリジナルでも1発当てようと、制作陣側もそうとう気合が入っていたと思いますが、実際に曲を聴いてもそれが思いっきり伝わってきます。
なんせ、モーラム歌謡のあらゆる要素をこの5分の曲に一気に詰め込んでいますから。
ただ、それ故、他の歌手が気軽に歌うには若干難しすぎる曲になってしまったのも事実です。
バイポーの良さも出ていますし、曲としても好きなのですが、タイではカヴァーされないとなかなかヒットには結び付かないので、その点では期待していた結果が得られるには難しいかもしれません。
公開から2ヶ月で約300万再生は決して悪い数字ではありませんが、他のヒット曲が凄すぎるので、今1歩たりない気がしてしまいます。
いや、良い曲なんですけどね・・・。
キーヤー2019/テッ・トラグーントー
ラムプルーン・ウォンサゴン(ลำเพลิน วงศกร)と組んで歌った曲「ホーモック・フワック・パイファーク・パー(หอหมกฮวกไปฝากป้า)」の大ヒットで、一躍時の人となったテッ・トラグーントー(เต๊ะ ตระกูลตอ)。
まだ若いながらも作詞・作曲が出来る能力を持ち、なおかつユニークなセンスで、彼の活躍には個人的にも注目していました。
「ホーモック・・・」以降もソロで「プーバオ・ガオ(ผู่บ่าวเก่า)」という曲がヒットしたり、マイタイ・フアヂャイシンなど他の歌手に曲を提供するなど、多方面で活躍していました。
そのテッが2月21日にリリースしたのがこの曲「キーヤー2019」。作詞・作曲はもちろんテッ・トラグーントー本人。
今回の曲も彼らしいユニークかつユーモラスな曲調は健在で、相変らず注目度も高く、公開直後はタイのYouTube急上昇ランキングにも入っていました。
イサーンが生んだ新しい才能。
これからも彼の行動から目が離せません。
ソーロー・セーレー/タカテーン・チョンラダー
元夫ペット・サハラット(เพชร สหรัตน์)と付き合い始めてから、イサーン寄りに方向性をシフトして来たタカテーン・チョンラダー。
しかし、ラムシンを歌ってもどこか地に足が着いていないというか、虎の威を借りてきたような状態で、タカテーンが歌っても居心地の悪さを感じていました。
そして今は、ペットの浮気が原因で二人は別れてしまった訳ですが、その直後からタカテーンの歌に急にリアリティーが増してきました。
イサーン語で歌っているのは路線変更してから変わっていないのですが、元夫への不満をぶちまけたような前曲「ボ・ングット・ヂャク・メット(บ่งึดจักเม็ด)」でタカテーンの本領が発揮されだしたと言えましょうか、「最低男をぶっ飛ばしてやる!」という新しい形の恨み節に、ついに新境地を開拓したように思えました。
2月24日に公開された新曲「ソーロー・セーレー」も曲調こそ違えど、やはり元夫への不満を歌っている事には変わりありません。しかも今回ははっきりと「アーイ・ナックドントリー(彼はミュージシャン)」という歌詞まで登場するくらいですから。
アレンジは明確にラムヤイ・ハイトーンカムのヒット曲「プーサオ・カーロッ(ผู้สาวขาเลาะ)」へのオマージュである事は、聴くとすぐ分るのですが(イントロのドラムスのフィルインなどはそのままのフレーズだし)、実体験を元にした説得力のある歌は、タカテーンにしか歌えない唯一無二の世界観と言えるでしょう。
リターン/トップ・モーソーfeat.アーム・チュティマー
1年前のハイトーンカムとの金銭問題もひと段落したアーム・チュティマーですが、一人で活動するようになって、以前にも増して目覚しい活躍をしています。
今回はソロの曲ではなく、朋友トップ・モーソーの為にアーム本人が作詞・作曲した曲で、自分もデュエットで歌うというスタイルをとっています。公開日は2月25日。
アームは自分自身で歌う曲の場合はスローテンポがほとんどなのですが、他の歌手に曲を提供する時はアップテンポの曲も多く、様々なヴァリエーションで作っていて、ヴォキャブラリーの多さを感じさせられます。
この曲もソロとは違う早めのリズムの曲ですが、メロディーも素晴らしく、なおかつ気心しれたトップとのデュエットという事で、高いクオリティーの出来ばえになりました。
個人的にも大好きな曲で、僕としてはアームの最高傑作ではないか、とまで思っています。
そして再生回数も順調に伸びていて、公開から約2ヶ月の4月20日時点で5000万回を超えています。このペースだとそう遠くない日に1億回に到達するでしょう。
それともうひとつ、この曲に関して言いたいことは、アームの高い歌唱力が遺憾なく発揮されているという事です。
彼女の歌唱力に関して触れる人はほとんどいませんが(アームのステージをまともに観たことのある日本人はほとんどいないのもその理由だが)、すごぶる高い歌唱力を持ってます。
自分はこれまで何度もアームのライブを観てきていますが、音を外すような場面に遭遇した事は一度もありません。
この曲では高音のパートがいくつかありますが、アームはさらりと歌っているので気が付き難いかもしれません。しかし、他の歌手がカヴァーしているのを聴くと、この歌を歌うのがかなり難しいという事が分るでしょう。
◆アームの親友ネスカフェ・シーナコンがカヴァーしたReturn。
ひとまず2月は以上5曲をピックアップしました。
曲数的には少ないですが、内容的には充分濃くなっていると思います。
次回は3月に公開された曲の中から、注目をピックアップしてご紹介します。