
6月上旬のバンコク~イサーン巡りでは、2週間でトータル14ヶ所のコンサートに行きました。
ここ最近はイサーン中心に周っていたのですが、今回は若干少なめで4ヶ所だけでした。
しかし、その分、中身は濃く、シアンイサーン(ウドンタニー)とシラピンプータイ(ヤソートン)のモーラム楽団2ヶ所は共に朝まででしたし、今回取り上げる6月10日ブリラムでのロットヘー・イベントは、ロットヘー23台、歌手7人という、バンコクでは到底体験出来ないスケールの大きなものでした。
目次
チャーン・アリーナ駐車場はロットヘーの聖地
イベントが行われた場所は、サッカー・ファンにはおなじみのチャーン・アリーナ(ニュー・アイモバイル・スタジアム)がある場所の横にある巨大な駐車場。
ここではロットヘーのイベントが頻繁に行われていて、昨年(2018年)10月にもロットヘー50台という大規模なイベントが行われ、僕も来たことがある所です。
◆7/27にはラムヤイとロットヘー30台以上というイベントがあります

2019年7月27日 ラムヤイ・ハイトーンカムvsロットヘー
云わば「ロットヘーの聖地」とも言える、このチャーン・アリーナ駐車場(現地の人たちには「サナーム・チャーン(สนามช้าง)」の方が通じる)。
ブリラムの中心部からもそんなに離れていないので、土地勘の無い人でも比較的簡単に来る事が出来ます。
ただし、スタジアム周辺は交通量も少ないので、タクシーの電話番号を控えておくなど、帰りの足は確実に確保しておいたほうが良い(ブリラムはGrabも使えますが、スタジアム周辺で利用できるかは未確認)。
◆チャーン・アリーナ地図
https://goo.gl/maps/c1SYLvDmW8xC49gy5
ちなみに、このイベントをオーガナイズしている人は、以前モッデーン・ヂラーポンのバンドでバンマス兼サックス奏者として活動していた人です。

6月10日のイベント告知。直前になってオーイ・セーンシンが追加された。
ロットヘーの爆音はハンパない!
この日の告知では14時頃から始まるとの記載があったので、その時間に合わせて会場に到着したのですが、いざ来てみると、ロットヘーは演奏していたものの、平日なので人はまばらだし、ステージはまだ完成すらされていない状態でした(まぁ、タイではよくある事ですけど)。

到着した頃はこんな感じだった。
しょうがないので、スタジアムの周辺をぶらぶらしつつ、本格的にイベントが始まるのを待ちました。
ただ、前回来た時は回りには何も無いと思っていましたが、駐車場周辺にはトイレもあるし食事のできる場所もあることが分かって、今後、ここに来た時の為には良かったかな。
それと、これまで気になっていたロットヘーに関する事を少し調査してみました。
ひとつはロットヘーの音量です。
このブログや雑誌に連載しているコラムなどで、度々「ロットヘーはすごい爆音だ」と書いていますが、それがどれくらいなのか、なかなか想像つきにくいかと思います。
実際の音量を文字や動画で100%お伝えするのは難しいのですが、これは日本ではなかなか体験出来ないレベルと言えば良いでしょうか。
ロットヘーは車の後方にスピーカーとウーハーを積んでいるので、そこが一番大きな音がします。
タイの一般的なコンサートでは、日本と比べると音量もさることながら低音もかなり出します。
ロットヘーの場合はさらにそれよりも大きな音を出すのですが、タイのコンサートに慣れた僕でも、ロットヘーの後ろに立つと、5秒と我慢できないレベルでした。
しかし、地元の子供たちは我慢比べとばかりに、車の後ろに立って踊っているのを、よく見かけます。

ロットヘーの後ろで躍りまくる子供たち。
どれくらいの音量なのか、分かりやすく数値化してみようと思い、ロットヘーの後ろに立ち、いつも撮影で利用しているデジタル一眼カメラで撮影してみました。
すると、入力レベルが10段階の1でMaxになってしまう音量。ちなみに、モーラム楽団のコンサートを撮影する場合の入力レベルは4~5、先日タイフェスティバルでは8まで上げて、やっとMaxでした。
この辺からもロットヘーがどれだけ大きな音を出しているのかが、少しは分かってもらえるのではないでしょうか。
◆ロットヘーの爆音
ロットヘーは見ているだけでも楽しい
もうひとつは、ロットヘーのデザインです。
ロットヘーは各チームごとにユニークなデザインが施されているのは、これまでの記事をご覧いただいた方はお分かりになると思います。
ただ、そのデザインの由来がいまいち意味不明なものもあったりします。
たとえば、ロットヘーでは人気No.1と言える、バイポー・ラッティヤーが所属しているチーム・オーディオ(マハーサーラカーム)ですが、この車のデザインにはスパイダーマンが描かれています。でも、なぜ、スパイダーマンなのか、よく分かりません。

チーム・オーディオのロットヘーのデザイン
オーイ・セーンシンが所属しているセーンシン・オンツアーは、今回初めて見たのですが、多分オーイだと思われる男性のイラストが描かれていました。
あとは、幾何学模様やチームの名前のみのシンプルなものから、動物や楽器のイラストが描かれているものなど色々あって、眺めているだけでも、結構楽しいものです。
自分は特に車が好きという訳ではありませんが、ロットヘーのミニカーがあったら、きっと集めちゃいますね。
◆ロットヘー・ギャラリー
ロットヘーはタイ音楽のトレンドを知る絶好の場
ルークトゥンモーラムのコンサートは歌手のオリジナル曲よりも、その時のヒット曲のカヴァーを歌う割合の方が多い。
そして、今、何が人々にウケている曲なのかをすばやくリサーチし、どれだけ早くレパートリーに組み込むかが、聴き手を楽しませる鍵となります。
その対応が一番早いのがロットヘーです。
今回のイベントでもいくつかの旬の曲を知る事ができました。
詳しくは前回の記事「コンサートに行く前に知っておきたい人気曲:2019年7月編」をご覧いただければと思います。
その記事の中でも触れましたが、今、個人的に一番気に入っている曲として紹介した、ナムトゥーイ・サベーンビンが歌う曲「チョープ・ベープ・ニー」も、このイベントで知った曲です。
この曲はいくつかのチームが歌っていましたが、中でも動画を撮ったマハーサーラカームのチーム「ポンピサーン・サウンド(พรพิศาลซาวด์)」が、演奏も歌も上手く、この曲の魅力を上手く引き出していたと思いました。
ชอบแบบนี้ (เวอร์ชั่นรถแห่) - พรพิศาลซาวด์2 @ มหกรรมรถแห่คอนเสิร์ต
ポンピサーン・サウンドはこの曲だけでなく、全体的にクオリティーが高く、20台以上のロットヘーの中でも特に印象に残ったチームでした。
次の動画の「ロット・ボ・ミー・ナムマン(ガス欠の車)」は沢山の歌手やロットヘーが歌っている人気曲ですが、前回の記事で取り上げたアーティーPT Musicが歌う「サッ!!」は、今まさに人気が上がってきている曲なので、そういった意味でもセンスの良さを感じさせる、興味引かれたチームでした。
รถบ่มีน้ำมัน เซ๊อะ!! (เวอร์ชั่นรถแห่) - พรพิศาลซาวด์ @ มหกรรมรถแห่62
タイ人のリズム感には勝てない
タイでコンサートを観に行く度に、いつも思うことがありました。
それは、「タイ人のリズム感は素晴らしい」という事。
そもそも伝統的な音楽のリズムがタイと日本とでは全く違うので、比べようもありませんが、それでも日本人がいくら努力してもタイ人のように躍る事は半永久的に無理だろう、と常々感じていました。
タイの音楽は基本4拍子で、中にはポリリズムも使われたりしていて、そういったリズムを小さい頃から親しんでいるので、身体に染み付いていますが、それに対して日本の古来の音楽はほとんどが1拍子で、戦後欧米の音楽の影響で4拍子を取り入れてきたものの、根っこの部分では1拍子が染み付いてしまっています。
どちらが良いという事ではなく、別のものなので、本来比べるべきではないのですが、コンサートでタイ人が躍っているのを見ると、やはりその違いに愕然としてしまいます。
実際、どんな踊り方をしているのか、このロットヘー・イベントで撮影してみましたので、参考にご覧ください。
◆タイ人の躍り方
ようやく日も暮れはじめ、観客も徐々に増えてきて、いよいよステージで人気歌手達が歌い始めるのですが、この後は長くなるので(動画も多くなるので)、2回に分けたいと思います。