ようこそ、魅惑のタイ歌謡「ルークトゥン・モーラム」の世界へ!

Pocket

知る人ぞ知る音楽大国タイ

東南アジアに位置し、観光地として日本からも沢山の人が訪れる国タイ。

一年中温暖な気候、美味しい食べ物、綺麗な海、安い物価etc.・・・、一度タイに来るとその魅力にとり付かれ、リピーターとなる人が続出しています。

そんな多くの魅力があるタイという国ですが、もうひとつ知っておいてほしいのが、今日本でも盛り上がりつつあるタイの音楽です。

タイには欧米の影響を受けたポップス・ロックなど、若者に人気のある音楽もありますが、独自のポピュラー音楽「ルークトゥン」と「モーラム」は、子供からお年寄りまでをも惹きつけている、タイが世界に誇れる音楽です。

タイでは1年を通して様々な所で音楽が流れていて、デパートでのイベントや大きなお祭りなどでは、必ずと言って良いほどコンサートが行われています。

しかも、無料で観られるコンサートも多く、気軽に観られるので、日本だけでなく欧米にも多くのファンを増やしつつあります。

そんな魅力的なタイの音楽、特にルークトゥン・モーラムを少しでも多くの人に知ってもらいたいという思いで、このサイトを立ち上げました。

まだまだ情報の少ないこの世界ですので、少しでもお役に立てれば幸いです。

「ルークトゥン」と「モーラム」はどう違う?

私はこのサイトを立ち上げる前に2つのタイ音楽関連ブログを運営していたのですが、そこで良く質問されたのが「ルークトゥンとモーラムって、どう違うんですが?」という事です。

厳密に言うと、ルークトゥンはタイの伝統音楽にカントリーなど欧米の音楽の要素を取り入れて作られたポピュラー音楽です。それに対しモーラムはタイ東北部(イサーン)からラオスにかけてに伝わってきたラオ族の民俗音楽です。

こうして文字に表すと、その違いがわかってもらえると思いますが、実際に二つの音楽を聴き比べるとその違いが分からないという方が多いようです。

その理由はモーラムがポピュラー音楽化する過程でルークトゥンを取り入れ、徐々にルークトゥンの要素の比重が高くなり、だんだんとモーラム色が薄くなってきてしまった点にあります。

モーラムは語り芸である為、ヴァリエーションに乏しく、レコードやカセットなど商品としての売り上げがあまり良くありませんでした。そこで考え出されたのがルークトゥンの歌の部分を取り入れた「ルークトゥンモーラム」というスタイルです。

歌と語りをサンドウィッチ状態にしたこのスタイルは見事に成功し、「売れるモーラム」として一気に広がりました。しかし、このスタイルが一般化し時間が経つにつれ、徐々にモーラムの語り部分が少なくなっていき、やがて現在のようにほぼルークトゥンと同じような歌謡スタイルになっていってしまいました。その結果、外国人である我々が聴いて混乱してしまう事になったのでしょう。

では、今ルークトゥンとモーラムを隔てるものはなにかというと、イサーンの言葉で歌っている事と、その歌手がモーラムを歌える事にあると言えます。

タイ人(というかイサーン人)に根強い人気を持つモーラム楽団のコンサートに行ってみると、そこではほとんどモーラムは歌われず、歌われているのは大体ルークトゥンです。しかし、イサーンの人々にとってはそれは「モーラム」以外の何物でもありません。言い換えれば、モーラムとはイサーンの人々の魂の音楽である、とも言えます。それはどんなスタイルになったとしてもそこに暮らす(暮らしてきた)人達にとってのアイデンティティーという事です。

ルークトゥンモーラムの魅力って、何?

と、いきなりマニアックな話から入ってしまいましたが、そもそもルークトゥンモーラムの魅力・面白さは何なのか、そこがまだこの音楽を聴いたことの無い人達が一番知りたい所ですよね。

簡単に言えば、ルークトゥンモーラムには「歌」そして「メロディー」がある、という事です。

近年の世界のポピュラー音楽は歌の部分が弱くなってきているのが、多くの人が感じている事でしょう。それは日本の音楽も同じで、J-POPなどというカテゴリーが一般化してから、長い間印象に残るような歌は本当にわずかになってしまいました。

しかし、ルークトゥンモーラムにはまだ、かつて日本の音楽が輝きを放っていた時代の、活き活きとした躍動感あふれる歌が残っています。そして、音楽がタイの人々の生活にとってとても重要な位置を占めています。ルークトゥンモーラムにとり付かれた多くの人たちは、その点に魅力を感じてこの世界の虜になっていきました。

ルークトゥンモーラムの音楽性

ルークトゥンモーラムはどんな音楽かというと、簡単に言えば歌謡性の高い音楽です。ただ、モーラムは本来は語り芸でしたが、変化の過程で歌を取り入れ、今ではほぼイサーンの言葉で歌うスタイルが主流になっています。

日本では度々「タイの演歌」や「タイの歌謡曲」などと表現されますが、確かにそういう音楽に近い要素はあるものの、決してイコールで結び付ける事が出来るような狭い音楽性ではありません。

ロックのような激しいタイプの曲もあれば、しっとり歌い上げる曲もありますし、クラブミュージックのようなエレクトロニクス全開の曲もあります。さらに、当然の事ながらこの音楽はタイにしかありません。ですので、ルークトゥンモーラムを表現するならば「タイのポピュラー音楽」で充分で、「ルークトゥン」は「ルークトゥン」、「モーラム」は「モーラム」と捉えるのが、この音楽を理解する最善の道です。

また、タイではまだ著作権のシステムが確立していない為、ひとつのヒット曲が生まれると、雨後の筍のようにそれを真似して同じような曲が沢山現れるのも、ルークトゥンモーラムの特徴です。

日本では少しでも他の曲と似ていたりすると「パクリ」だの、同じスタイルをいつまでも続けていると「マンネリ」とすぐに揶揄しますが、ルークトゥンモーラムに限らずタイの音楽はパクリやマンネリだらけです。その点を受け止められるかどうかが、このジャンルを好きになるかどうかの鍵になるのではないでしょうか。

ルークトゥンモーラムはアジアの人々の心の拠り所

長々と書いてしまいましたが、長い間この音楽を聴いてきて感じた事は、このルークトゥンモーラムという音楽はアジア圏に住む我々が共通して持っている、音楽はこうあってほしいというイメージを最も良い形で具現化した音楽ではないか、という事です。

ポピュラー音楽は時代によって大きく変わるものですが、アジアはやはり歌謡が主流の文化圏であることは改めて言うまでもありません。しかし、近年の音楽に不満を持っているリスナーは多いと思います。そういう方々が安心して聴ける音楽は、やはり同じアジアの音楽なのではないでしょうか。

私はここに行き着くまでに世界中の様々な音楽を聴いてきましたが、最終的に残ったのがルークトゥンモーラムでした。もちろん他の国にも良い音楽は沢山ありますし、今でも聴いていますが、やはりホッとするのはルークトゥンモーラムを聴いている時です。

かつてに比べれば、日本でもだいぶ認知されてきたこの音楽ですが、やはりまだマニアックな域を出ていないことは確かです。

まだこの音楽に気がついていない人が多いのが事実ですが、そういう方々の耳に少しでも多く届いてほしいという願いを込めて、このサイトでその魅力を伝えられればと思っています。

おすすめ記事

更新日:

jaJapanese
thThai jaJapanese

Copyright© ルークトゥンモーラム・ファンクラブ , 2018 All Rights Reserved.