
新曲まとめ、前回は2019年2月に公開された曲から5曲をピックアップして紹介しました。
今回は2019年3月の1ヶ月間に公開された曲の中から5曲をピックアップしてご紹介します。
すでにコンサートの定番にもなっている人気曲もあったりしますので、ぜひチェックして皆さんのお気に入りの曲を見つけてください。
目次
ピー(ヂョン)ポン/エー・マハーヒンfeat.ブア・ガモンティップ
イサーンで絶大な人気を誇るバンド「マハーヒン(มหาหิงค์)」の新曲はなぜかトップラインのB級歌手ブア・ガモンティップをフューチャーした曲になっています。
なぜ、イサーン人でもないブアをマハーヒンがチョイスしたのかは、単にコンサートで何度か共演して面識があったというだけの軽い意味でしょう。
正直、曲を聴いてもブアをフューチャーした効果というか必然はあまり感じられません。違和感ありまくりです。
とはいえ、さすがマハーヒンだけあって、曲自体は秀逸。リスナーの反応も良く、公開1ヶ月半で5000万再生と好調で、既にコンサートでは沢山の歌手がカヴァーする人気曲になっています。
クレジットではフロントヴォーカルのエー(เอ)の名前がクレジットされているので、ソロの曲かと勘違いしてしまいそうですが、別にマハーヒンと離れて活動している訳ではないので、この曲はバンド・マハーヒンの曲として捉えて良いでしょう。なぜエーの名前を全面に出しているかは、単にリスナーに分りやすくする為だと思います。
ちなみにタイトルに「ピー・ヂョン・ポン(ปี้จนป่น)」の意味ですが、直訳するとかなりどぎつい意味になってしまいますので(例えばピー(ปี้)は「交尾する」という意味だったり)、少しマイルドに訳するとしたら「ふたり溶け合うまで」という感じが良いかなと思います。
◆キーを変えてブアがカヴァーしたヴァージョン
ボ・ムーンター・ティ/ギック・ルンナパー
「サーン・ワー(ซางว่า)」のヒット以降、コンスタントに曲をリリースしているギック・ルンナパー(กิ๊ก รุ่งนภา)。
今回の曲「ボ・ムーンター・ティ(บ่มืนตาติ)」も、その「サーン・ワー」と同じ路線の曲ですが、ギックのキャラが上手く活かされていて、多分1億回超えの大ヒットにはならないでしょうが、個人的には好きな曲です。
それに、今回のMVは特にオープニングがなかなか強烈です(笑)。
ぜひ、ご自身の目でご確認ください。
タイトルの「ボ・ムーンター・ティ」は「見ちゃいらんないわ」とでも訳せば良いでしょうか。
長年のギックファンとしては、こういうポップ路線も良いのですが、そろそろ良い相方を見つけて、本来のラムシンのステージにも戻ってきて欲しいと思う今日この頃です。
ドゥー・ディアン・ダーン/ラムヤイ・ハイトーンカム
「プーサオ・カーロッ(ผู้สาวขาเลาะ)」のヒットから2年。
もうすっかり旬も過ぎたのですが、テレビにも頻繁に出ているせいか、コンサートの集客力はまったく落ちないラムヤイ。
マメにFacebookの投稿やライブ配信を確認しているのですが、どこにいっても超満員のお客さん会場が溢れているのは、売れる前から応援している身としては嬉しい限りです。
曲もコンスタントにリリースしていて、「バーイ・ブン(บายเบิ่ง)」は今でも沢山の歌手にカヴァーされている人気曲になっています。
新曲「ドゥー・ディアン・ダーン(เด๋อเดี่ยงด่าง)」も好評で、他の歌手にカヴァーされているのはもちろん、SNSでも多くの歌手仲間がシェアしていたりして、順調に再生回数も伸びています。
MVはいかにもアイドルらしい作りになっていますが、これまでのMVの中でも一番ラムヤイが綺麗に映っている感じがして、とても気に入っています。
タイトルの「ドゥー・ディアン・ダーン」はイサーン語なのですが、意味は「シーソー」です。標準タイ語だと「グラダーン・ホック(กระดานหก)」となります。
公開から1ヶ月の4月21日の時点で、再生回数約1500万回まで来ていますが、このペースなら1億回超えも可能かも。
サーイ・ロック・サーイ・ラム/チンタラー・プーンラープ
こちらも去年の再々ブレークから勢いが衰えないチンタラー・プーンラープ。
ヒット曲「タオ・ンゴーイ(เต่างอย)」路線の曲が数曲続いていましたが、この新曲「サーイ・ロック・サーイ・ラム(สายร็อคสายลำ)」はよりポップで聴きやすい曲になっています。
テーマも「ロック派vsモーラム派」となんとも痛快。MVも面白いです。
アレンジは今、最も人気があるヂンニー・プータイ(จินนี้ ภูไท)を起用。ヂンニー氏はラムヤイの「ドゥー・ディアン・ダーン」のアレンジも担当していて、サウンド的に何となく似ているのは、聴いてみるとすぐにお分かりになるでしょう。
ヂンニー氏のアレンジの特徴はケーンをリード楽器として使う所。このチンタラーの曲でもイントロからケーンがメロディを奏でています。
再生回数はあまり伸びていませんけど、コンサートでの人気の度合いは再生回数とは必ずしも比例する訳ではありませんので、この曲も沢山のコンサートで歌われるようになって欲しいものです。
レーウ/オーイ・セーンシン
前回、取り上げたバイポー・ラッティヤーは「ロットヘーの女王」と呼ばれていると紹介しましたが、このオーイ・セーンシン()は「ロットヘーの王」と呼ばれている歌手。
昨今のロットヘー・ブームはむしろこのオーイの人気がキッカケで起こったのではないか、僕としては呼んでいます。
彼の人気を決定付けた「パーワッ・セックソーン(ภาวะแทรกซ้อน)」からコンスタントに1億再生超えのヒット曲を出しているオーイですが、これまでの曲はスローテンポが中心でした。
しかし、今回の曲「レーウ(เลว)」はこれまでの曲とは雰囲気が違うアップテンポなアレンジで、アグレッシブな曲調になっています。
タイトルの「レーウ(卑劣)」という意味からしても、これまでのオーイの好青年的なイメージとは違う、新しい彼の魅力を引き出している曲と言えるでしょう。
いままでのスローの路線も良かったけど、こういうワイルドなオーイもまた良い味だしているのではないでしょうか。
【2019年2・3月の新曲総括】
あまり沢山の曲を羅列した所で、訳が分らなくなるだけだと思うので、個人的な判断で2ヶ月の間に公開された曲の中から10曲をチョイスという形を取りましたが、それでも今のルークトゥンモーラムの充実ぶりはお分かりいただけたのではないでしょうか。
イサーン・インディーのブームが起こってからだいぶ時間が経ちましたが、まだまだ勢いが衰える節は見えません。
もう既にブームを超えて、メジャーとは違うひとつの新しいスタイルになったと言っても過言ではないでしょう。
4月も良い曲が沢山公開されています。
ますますイサーン・インディー、そしてルークトゥンモーラムから目が離せません。