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【コンサート・リポート】ロットヘーと人気歌手が激突したイサーンの熱い夜(2)

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前回お伝えした、6月10日ブリラムでのロットヘー・イベントのリポートの続きです。

Part1はこちらでご確認ください。

【コンサート・リポート】ロットヘーと人気歌手が激突したイサーンの熱い夜(1)

日が暮れ始め、ステージもようやく完成に近づいた頃、お客さんも続々と集まり始めました。

ロットヘー・イベントの客層は基本若者オンリー。それも年齢層がかなり低く、10代後半~30代前半が90%近くを占めるのではないでしょうか。年配や小さな子供は皆無と言っていいです。

なので、平日だったこの日は昼間からイベントが始まっていたものの、観客の中心である学生たちは学校があったでしょうから、学校が終わってからしか来られなかったのでしょう。

それに、タイで真昼間からコンサートをやっても、日差しが強くて、ステージを観ている所ではありません。その辺を読めずに、告知を信じて早く来てしまう自分はまだまだ甘いな、と。

タイはそれほど手強いのです。

本場のガントゥルムは一味も二味も違った!

ステージのトップバッターは地元ブリラムの歌手2人が登場。

1人目はソーンセーン・ルンルアンチャイ(ส่องแสง รุ่งเรืองชัย)という歌手でしたが、この人の事に関しては正直、自分は全く知りませんでした。

ソーンセーン・ルンルアンチャイ(ส่องแสง รุ่งเรืองชัย)

 

しかし、ソーを含むバンドを従えて登場したソーンセーンの歌は、さすが本場!と言いたくなるガントゥルム(กันตรึม)100%のサウンドで、始まった途端、あっという間に引き込まれました。

20分超えのグルービーな歌と演奏は、他の歌手目当てで来ていたであろう若者たちをも巻き込み、現場はかなり盛り上がっていました。

◆【กันตรึม แสดงสด】 ส่องแสง รุ่งเรืองชัย @ มหกรรมรถแห่ 2562(ソーンセーン・ルンルアンチャイ、ライブ)

ちなみにガントゥルムとはイサーン南部(ブリラムやスリンなど)で伝えられている音楽で、モーラムとは違い、カンボジアの影響を強く受けた音楽です。

特徴はソーという楽器を使う事で、このソーは中国の二胡と同系の擦弦楽器ですが、二胡は優雅にゆったりと演奏するのが多いのに対して、ガントゥルムでのソーはかなりリズミカルに激しく弾くのが特徴です。

かつてルークトゥンの世界でもガントゥルムがブームになった事があり、特にイサーン南部出身でない歌手でもガントゥルムを取り入れた歌を歌っていた事がありました。

今は亡くなってしまいましたが、ガントゥルム・ロックというスタイルで人気を博したダーキー(ดาร์กี้)は日本でもよく知られていて、上々颱風のコンサートにゲスト出演する為に、来日した事もありました。

今でもガントゥルムをテーマにした歌が度々歌われる事があり、パイ・ポンサトンの「サーオ・ガントゥルム(สาวกันตรึม)」やカーオティップ・ティダーディン「ガントゥルム、ルーム・ボ・ロン(忘れられないガントゥルム)」、チンタラー・プーンラープ「ラック・バオ・イサーンタイ(รักบ่าวอีสานใต้)」などはひとつの例です。

◆กันตรึม..ลืมบ่ลง(ガントゥルム、ルーム・ボ・ロン)/ข้าวทิพย์ ธิดาดิน(カーオティップ・ティダーディン) 【OFFICIAL MV】

ソーンセーンの次に出て来たのは、ロック・コンコイ(ร็อกคงคย)という、こちらもガントゥルムのオッサン歌手ですが、この人は個人的にこの日もっとも楽しみにしていた歌手の一人でもありました。

ロック・コンコイ(ร็อกคงคย)

ロック・コンコイ(ร็อกคงคย)

 

というのも、彼が歌っている「グラヂョーク・テー(กระจอกแท้)」という曲は僕にとって大フェイバリットであり、一度ライブを観てみたいと以前から思っていたのですが、なかなかタイミングが合わず、ようやくこの日そのチャンスが訪れたという訳です。

この「グラヂョーク・テー」という曲のタイトルの意味は、「本当に貧乏」とか「本当にお金が無い」という意味なのですが、これ、自分の事ではなく他人に対して言っていて、歌詞の内容は「お兄さん、100バーツ貸してくんない?何だと、100バーツぽっちも貸せないのか?!この貧乏野郎!!!」と、全くもってひどい歌詞なんです(笑)

◆「グラヂョーク・テー」の歌詞の内容を上手く表現したジェスのカヴァーMV

この歌、今や自分にとって生涯で聴いた歌の中でも5本の指に入るほど好きな曲。

そんな曲を歌っている人が観られるわけですから、テンションが上がらない訳ありません。

そして、やっぱり生で聴く「グラヂョーク・テー」は最高でした。

上のオリジナルと次のライブ・ヴァージョンを聴き比べてもらえれば分かるように、アレンジが若干変わっていて、今大人気の曲「ンガッ・タン・ンガッ(งัดถั่งงัด)」のパクリ・フレーズを曲中に挟んだりして、進化してました。

◆【กันตรึม】กระจอกแท้ (グラヂョーク・テー) - ร็อกคงคย(ロック・コンコイ)@มหกรรมรถแห่2562

いやぁ、やっぱ最高ですね!

渋さの極致ですが、ガントゥルムは男性歌手中心なので、ソーンセーンやこのロック・コンコイのようなオッサン歌手がほとんどです。

彼の名前はバンコク近郊のコンサート告知でもよく見かけていたんですけど、本場ブリラムで観る事が出来たのは、本当にラッキーでした。

この日のロック・コンコイの他の曲はこちらのフル・ヴァージョンの動画でご確認ください。

◆ロック・コンコイ Live@ブリラム(フル・ヴァージョン)
กันตรึม ร็อกคงคย แสดงสด @ มหกรรมรถแห่ คอนเสิร์ต62 (full)
https://www.youtube.com/watch?v=xsosaK5jnBc

2曲連続1億再生超えのイケメン歌手

ガントゥルムのオッサン二人でも充分盛り上がっていた会場ですが、ここからの盛り上がりはそれとはまた違う盛り上がり方でした。

なんせ、今、旬の歌手が続々と登場したのですから。

まずは「チャン・ヤン・ラック・トァー(まだ君を愛している)」のヒットで時の人となったトゥーイ・アピワット(เต้ย อภิวัฒน์)の登場です。

トゥーイ・アピワット(เต้ย อภิวัฒน์)

以前からステージを観たいと思っていた歌手のひとりだったですが、なかなか情報がつかめず、機会を逸していました。

なので、今回、彼が出演するのを知った時は、これは絶好のチャンスだと思ったものです。

◆ฉันยังรักเธอ(チャン・ヤン・ラック・トァー)/เต้ย อภิวัฒน์(トゥーイ・アピワット)@มหกรรมรถแห่ บุรีรัมย์

それにしても黄色い声援が凄いですね。

ヒット曲を持っているというだけでなく、イケメンという事もあって、やはり女性人気があります。

彼の事を凄いと思ったのは、僕の予想では「チャン・ヤン・ラック・トァー」の1曲だけのヒットで終わると思っていたのですが、ところがどっこい、その後にリリースした「ユー・ボ・ダイ(一緒にはいられない)」も大ヒットとなり、しかも前曲よりも速いペースで1億再生を突破するという素晴らしい結果を残したことです。

この切ない曲。

まさかの結末になっているMVは必見です(ちなみに、この曲でケーンを演奏しているのは、日本でもおなじみのポンサポン・ウパニ)。

◆อยู่บ่ได้(ユー・ボ・ダイ) - เต้ย อภิวัฒน์(トゥーイ・アピワット) [ Official MV ]
https://www.youtube.com/watch?v=O1dO5lHvfyE

コンサートでこの曲が始まったら、当然のごとく大合唱。

名曲を生で聴くのは格別ですね。

◆อยู่บ่ได้ (ユー・ボ・ダイ)/เต้ย อภิวัฒน์(トゥーイ・アピワット) @ สนามช้างอารีนา จ.บุรีรัมย์

ロットヘーの王にしてロットへー・ブームの立役者

トゥーイに続いて登場したのが、こちらも女性に大人気のオーイ・セーンシン(ออย แสงศิลป์)。

実は彼はこのステージの前に、自身が所属するロットヘー・チーム「セーンシン・オントゥアー」のサウンドエンジニアをやっていて、タブレットを持ちながら普通に観客の中にいたりして、何ともタイらしい光景が見られました(オーイが側にいても全然騒がないし)。

オーイ・セーンシン(ออย แสงศิลป์)

しかし、いざステージに上がれば、動画でご覧いただける通り、黄色い声援と握手を求める手、手、手・・・。

いかんせん、ロットへー・ブームはこのオーイから始まっていると言っても過言ではないほど、イサーンでの人気は絶大です。

オーイの最初のヒット曲「パーワッ・セークソーン(ภาวะแทรกซ้อน)」からだいぶ時間が経っているので、とっくに彼のステージを観ててもおかしくないのですが、短期滞在ではなかなかタイミングが合わず、実はこの時、オーイのライブを観たのは初めてでした。

人気の高さは充分予想できましたが、オーイの歌もさることながら、バンドもしっかりしてるし、その人気に違わぬ実力だと思いました。

それにしても、歌いながらスタッフの話を聞いたりしても、全然ぶれないのは凄いね。

◆ออย แสงศิลป์(オーイ・セーンシン)@มหกรรมรถแห่คอนเสิร์ต62(ロットヘー・コンサート)

ロットへーの女王とロットへーの中を初体験

オーイが歌っている途中、バイポー・ラッティヤー(ใบปอ รัตติยา)所属のチーム・オーディオの車が会場に入って来ていました。

という事は、次にステージに上がるのはバイポーか、と思っていたら、司会のオッサンがバイポーはロットヘーで歌うとのこと。

急いで会場の入り口付近に停まっていたチーム・オーディオの車に駆け寄りました。

ใบปอ รัตติยา

バイポー・ラッティヤー(ใบปอ รัตติยา)

 

チーム名で人が集まるロットヘーって、あまり無い気がするんですけど、チーム・オーディオは違います。

ステージ前にいた観客はチーム・オーディオの車を目指して一斉に大移動。そして車の周りは近づくのもやっとのほどに、ファンで埋め尽くされました。

さすが、自ら「No.1」を謳っているだけありますね。ロットヘーの女王と呼ばれるバイポーがいる訳ですから、当然と言えば当然ですが。

◆ใบปอ รัตติยา ปะทะ ทีมออดิโอ(バイポー・ラッティヤーvsチーム・オーディオ)@มหกรรมรถแห่คอนเสิร์ต(ロットヘー・コンサート)


実はバイポーには6月3日にバンコクで会っていて、その時に10日のブリラムに行くからと約束をしていました。

その時、バイポーは「じゃあ、新しいFC(ファンクラブ) Tシャツ持っていくね」と言ってくれていたんですが、果たしてそれを覚えていてくれているかどうか、半信半疑でした。

しかし、コンサート終了後に挨拶に行くと、しっかりと覚えていてくれて、無事、新しいFC Tシャツを受け取る事ができました(しかもこの後、チーム・オーディオのTシャツももらっちゃったりして)。

バイポーからもらった新しいファンクラブTシャツ

 

さらにこの後、バイポーから意外なリクエストが。

ロットヘーの中に招待するので、その事を僕が雑誌に連載しているコラムで書いて欲しい、との事。

以前から、一度ロットへーの中に入ってみたいと思っていたので、これは願ったり叶ったり。

もちろんOKして、ロットへーの中へ入らせてもらいました。

その事に関して、詳しくは8月10日発売の雑誌「ワイワイタイランド」に掲載されますので、そちらもご覧いただければと思います。

◆コラムにも掲載される写真の一部

コンサートはここで終わった訳ではなく、バイポーのあと、グラターイ・パンニパー(กระต่าย พรรณนิภา)とセーンダーオ・ピムマシー(แสงดาว พิมมะศรี)といった、今をときめく歌手も登場したのですが、僕はチーム・オーディオのロットへーの中にいたため、残念ながら2人のステージは観る事が出来ませんでした。

ロットへーから見たステージの様子

 

チャーン・アリーナでのイベントは中心部からもそう遠くないので行きやすいのですが、問題は帰りの足が無いという事です。

スタジアム付近からシャトルバスでも出ていれば良いのですが、そういうものは無く、近くを流しのタクシーが通る可能性も少ないです。

前回(2018年10月)ここに来た時はタクシーの電話番号を控えておいて、イベントが終わった後呼んだので、何とか帰れましたが、今回は運良く、バイポーが車で送ってくれると言ってくれたので、その苦労も無く、無事宿まで帰ることができました。

宿に着く前に皆で食事もさせてもらい、今回のブリラム訪問も思い出に残る1日になりました。

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