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【タイのリアル・グルーブを体感せよ】SUKIYAKIにパラダイス・バンコクがやって来る!

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かねてからの念願だったライブが、ついに実現します!

<The Paradise Bangkok Molam International Band Live in Japan>

彼らの存在を知った時から、「いつか日本でやってくれないか」と思い続けて、5年以上。ようやくこの日がやって来ました。

場所は8月23~25日に富山で行われるワールドミュージックのイベント「SUKIYAKI MEETS THE WORLD」です(PBMIBは24日ライブ、25日ワークショップ、27日はSUKIYAKI TOKYOに出演予定)。

と言っても、彼らはこれが初来日という訳ではなく、7月に行われたFUJI ROCK FESTIVALで既に日本で演奏しております。その模様は現場、あるいはインターネットの生中継でご覧になった方も多いでしょう。

しかし、彼らが来日するという情報を知ったのはSUKIYAKIの方が先でしたし、1年ほど前にTwitterで「(パラダイス・バンコクが日本に来るなら)SUKIYAKIでやってくれないかな」とツイートした事があって、それが現実になった訳ですから、自分としてはこちらの方に思い入れがあると言う訳です。

僕自身は既にバンコクで何度も彼らのライブは観てきていますが、観る度に「日本でやったら絶対ウケるはずなのに、なぜやってくれないのだろう?」と思っていました。

ただ、日本でのライブが実現するまでは色々障壁が有ったようで、そう簡単にはいかなかったのでしょう。そういう意味でも、今回、日本でのライブが実現する事になったのは、感慨もひとしおです。

既にこのバンドの情報はインターネットでも沢山観る事が出来ますし、動画も沢山観る事が出来ますが、SUKIYAKIでの彼らのライブをより楽しむ事が出来るように、当ブログ的視点で、このThe Paradise Bangkok Molam International Band(以下PBMIB)の魅力をお伝えしたいと思います。

バンドの成り立ち

このバンドが結成されるキッカケになったのは、プロデューサーであるDJ Maft Saiがイギリス人のChris Menistと共に主催するパーティー「パラダイス・バンコク」で、セッションのゲストにモーラムの伝説的ミュージシャンであったカムマオ(・プータノン)先生を招いた事がそもそもの始まりのようです。

バンコクなどの首都圏では虐げられてきたモーラムという音楽にスポットを当て、DJというスタイルを用いて新しい視点でモーラムを掘り起してきたMaft Saiですが、レコードをかけるだけでなく、バンドを作り、より現代的にモーラムを甦らせようとかねてから考えていたようです。

◆2012年、パラダイス・バンコク3周年記念ライブ。カムマオ先生+ソムバット・シムラー(ケーン)という国宝級セッション。


このセッションをキッカケに、Maft Saiの頭の中ではバンド構想が具現化していったのでしょう。

その後、徐々にメンバーが固まっていき、現在のメンバーで本格的に活動しはじめたのが2013年頃でした。

バンドは当初からタイ国内よりも海外での注目度の方が高く、アルバムリリース以前にもかかわらず、ヨーロッパツアーを敢行し、大成功を収めていました。

◆2013年ポーランドのOFF FESTIVALにPBMIBが出演した際のライブ映像。

そして、2014年待望の1stアルバム「21st Century Molam」をリリース。

Gilles Petersonをはじめ、各方面で高い評価を受けました。

The Paradise Bangkok Molam International Bandの1stアルバム「21st Century Molam」

海外先行だった彼らの人気も、次第にタイ国内でも認知度が上がっていき、バンコクでのライブでも、それまで外国人の観客が大多数を占めていましたが、今では半々かそれ以上にタイ人の割合が増えてきています(ちなみに、タイでは彼らは「モーラム・インター(หมอลำอินเตอร์)」と呼ばれています)。

しかし、海外人気も変らず高く、2015年には1年で2回のヨーロッパツアーに出ています。

また、アジア圏でも、香港・台湾・韓国・マレーシア・ベトナムで行われたイベントに出演。年々、活動の場も広がっています。

1stアルバムから2年後の2016年には2ndアルバム「Planet Lam」をリリース。エレクトロニクス系の楽器も導入し、また新たな世界感を作り出しました。

2ndアルバム「Planet Lam」

PBMIBの音楽的ルーツ

彼らの音楽性は、例えばペットピントーン(เพชรพิณทอง)に代表されるような、様々な実験を繰り返していた時代のモーラムと共通するものがあります。

エレクトリック・ピンを開発したトーンサイ・タップタノン(ทองใส ทับถนน)が在籍していたペットピントーンは、イサーンに連綿と受け継がれているメロディーやリズムをその時代なりの解釈を交えて音楽を作り出しました。PBMIBがやっている事はまさにこの手法です。

イサーンの伝統的メロディーに、ロンドン在住経験があるMaft Saiが、そこで培われた欧米的なセンスを導入する事で作り出される音楽。それが彼らの独自性を生み出していると言えます。

◆ペットピントーン/ラムプルーン・プート・チャーク


レコーディングでは2ndアルバムで若干エレクトロニクス系の楽器が導入されたものの、まだシンプルなバンド主体のサウンドであるPBMIB。

しかし、Maft Saiは様々なジャンルとのコラボレーションにも意欲的ですので、今後、さらなる進化が期待できます。

メンバーと担当楽器

Maft Sai(マフト・サイ):プロデュース、チン(ฉิ่ง)

本名:ナタポン・シアンスック(ณัฐพล เสียงสุคนธ์)

DJであり、このバンドのプロデューサーでもある彼は、当初、演奏には参加していませんでしたが、2015年頃から自身もステージに上がるようになりました。

オーストラリア、ロンドンでの在住経験あり。

タイの伝統楽器であるチン(ฉิ่ง)を演奏しています。

 

 

 

คําเม้า เปิดถนน(カムマオ・プータノン):ピン(พิณ)

ピンのマスターとして、その世界では知らない人はいないほど、タイの音楽界では重要人物と言えるカムマオ先生。

改めていうまでも無く、このバンドの顔とも言えます。

注目すべきは、先生の弾いているピンの弦の数です。

今は3弦以上のピンが一般的になっていますが、カムマオ先生の弾いているピンは弦が2本しかありません。

これは、3弦のピンが普及する前のピンのスタイルだったようで、それにピックアップを付けた特別仕様になっています。

たった2本の弦で、あれだけの豊かなメロディーを生み出すのですから、驚きです。

ไสว แก้วสมบัติ(サワイ・ゲーウソムバット):ケーン(แคน)

ケーン担当のサワイ先生も、このバンドの要の人物であり、タイ音楽界の重鎮です。

何と、今年(2019年)80歳になるそうです。

にもかかわらず、世界中を駆け回るハードスケジュールをこなしているのですから、驚きです。

 

 

 

 

ปิย์นาท โชติกเสถียร(ピナート・チョーティクサティアン):ベース

愛称:パム(ปั๊ม)

ベース担当の彼は、ロックバンド「Apartment Khunpa(アパートメント・クンパー)」のギタリストでもありますが、ベーシストとしてのテクニックも卓越したものがあります。

英語が話せるということもあり、ステージではMCも担当しています。

 

 

 

 

ภูษณะ ตรีบุรุษ(プーサナ・トリーブルット):ドラムス

愛称:アーム(อาร์ม)

このバンドの音楽のストーリーを作る上で重要なポジションにあるドラムスを担当しているのが、このアーム。

アームのドラムスとパムのベースのコンビネーションが、PBMIBのサウンドに深みと現代性をもたらしていると言えます。

 

 

 

 

Chris Menist(クリス・メニスト):パーカッション

Maft Saiと共に、このバンドを作った存在であるクリスですが、普段はイギリス在住の為、ヨーロッパツアーなどには同行しますが、バンコクやアジア方面でのライブでは基本的に不参加です(今回の日本でのライブでも来ないと思われます)。

僕はこれまで彼が参加したライブを観る事ができたのは、2014年の1stアルバム・リリースパーティーの時、1回のみです。

 

 

 

 

タイ国内での反応の変化

僕は2014~2017年のバンコク在住の際、情報が入手できた限り、PBMIBのライブを観るようにしていました。

そこで、いつも気にしていたのが、客層です。

初めて彼らのライブを観る事ができたのは、2014年5月にセントラルワールド8Fにあるエデュケーションセンター「TKパーク」でのイベントでした。

この時は平日の昼間という事もあり、観客は僕を含めても両手で足りる程度で、あとはスタッフとその場にいた子供たちという感じでした。

この頃はまだタイ国内では、彼らに注目している人も少なく、メディアでもほとんど取り上げられていない状態でした。

◆The Paradise Bangkok Molam International Band Live@TK Park-2

それから数ヵ月後、1stアルバムリリースをキッカケに2014年11月に行われたラウンチ・パーティーでは、大入りの大盛況でしたが、お客のほとんどは外国人で、タイ人はメディア関係の人が少し来ていたくらいだったでしょうか。

この頃はまだ、タイ国内ではメディア先行だったと言えます。

しかし、個人的には、これまで観た彼らのライブの中でも、No.1と言っても良いほど充実していたパフォーマンスでした。


続きはこちらから↓
The Paradise Bangkok Molam International Band Debut Album Launch Party 【Part2】

The Paradise Bangkok Molam International Band Debut Album Launch Party 【Part3】

お客の反応が明らかに変わったな、と思うようになったのが、2016年3月BACC(バンコク・アート&カルチャー・センター)の前で行われたイベントに彼らが出演した時です。

この時は他に若手のインディーバンドなどが出演していた事もあり、ほとんどがタイ人で、客層もかなり若かったのですが、無料という事もあり、観客も多く、しかもかなりノリがよくて、モーラムのコンサートでよく見られる危なっかしい踊り方(周りを見ずに前後に動いて、人にガンガンぶつかる)していたのが、今でも脳裏に焼きついています。

ただ、今まで「(インストだし)PBMIBの音楽はタイ人には受けないのだろうか」と漠然と感じていたため、この反応は嬉しかったです。

◆The Paradise Bangkok Molam International Band @ BACC (1)

その後もタイ人のファンは着実に増えていって、何組かのバンドが出演するイベントでも、明らかにPBMIB目当てで来ている観客も見受けられるようになってきました。

2017年3月にショッピングセンター「マー・ブン・クローン」の前で行われたイベントでは、場所柄観光客も多く、さらにタイ人の沢山来ていて、様々な人種が入り乱れてPBMIBの音楽で踊っているのを見た時は、ようやくここまで来たかと、感慨深い気持ちにもなりました。

◆The Paradise Bangkok Molam International Band Live@MBK-1


Part2はこちら
The Paradise Bangkok Molam International Band Live@MBK-2

海外の人気が先行するバンドというと、我が国ではYMO(Yellow Magic Orchestra)が思い出されますが、PBMIBのこれまでのタイ国内の反応を観察していると、YMOのそれと非常に酷似している気がします。

PBMIBのような存在はタイではこれまでいなかったのではないでしょうか。

ライブスケジュール

今回のPBMIBのライブスケジュールは以下のとおりです。

【SUKIYAKI MEETS THE WORLD 2019】(富山県南砺市福野文化創造センターヘリオス

2019年8月24日(土) LIVE @ ヘリオスステージ 17:30~21:00(前売り:¥3500/当日:¥4000)

2019年8月25日(日) Work Shop:タイ音楽「モーラム」の世界 @ アートスペース 10:00~11:30(入場無料)

◆詳細はこちら↓
SUKIYAKI MEETS THE WORLD 2019
http://sukiyakifes.jp/

【SUKIYAKI TOKYO 2019】

2019年8月27日(火)LIVE @渋谷WWW 開場18:30、開演19:30(前売り¥5000/当日¥5500)

◆詳細はこちら↓
SUKIYAKI TOKYO 2019
http://www.sukiyakitokyo.com/

なお、蛇足ではありますが、8月24日のSUKIYAKIでは、このブログの管理人である私もガーデンステージでDJをさせて頂く事になりました。

名前はP-GEN、時間は14:00~14:30です。

お時間がございましたら、ぜひいらしてください。

かける音楽はもちろんタイ音楽です。


 

FUJI ROCKから約1ヶ月での再来日。

その時、彼らのステージを観て衝撃を受けた人も、配信だけで悔しい思いをした人も、今回こそ、タイのリアルグルーブを体感する絶好のチャンスです。

今までタイ音楽に「ダサい」とか「いなたい」というイメージしか持っていなかった人も、PBMIBのライブを観れば、それまでの固定観念がガラリと変わるでしょう。

もしかしたら、次の来日があるかどうかは分かりませんので、ぜひ、このチャンスを逃さないでください。

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