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【Songs about Covid-19】新型コロナウィルスにまつわるタイの歌10選

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世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルス「Covid-19」。

日本でも感染者が増え続けていますが、タイも同様に日々感染が拡大しています。

当初、高温多湿の場所ならばウィルスは弱まるのではないか、という認識がありましたが、その考えは間違えていたようです。

タイでは3月26日に全土に非常事態宣言が出され、感染拡大を抑える為の対策を強化し始めました。

コンサートなど人が集まるイベントは中止になり、4月13日から予定されていたタイのお正月であるソンクラーンも延期となったという事です。

3月中旬までは横ばいだったタイの感染者数も、後半に入ると急増。

Bangkok Postより

さらに、県をまたぐ移動を控えるよう要請していたにも関わらず、非常事態宣言が出された後、仕事が休みになってしまったバンコクで働く人たちが、一斉に地方に散らばってしまった為、それまで感染者がいなかった地域にも広がってしまいました。

3月27日時点でのイサーンで感染者が出た場所(赤の部分)。まだ出ていないのはサコンナコン、ブンカーン、マハーサーラカームのみ。

タイでの感染者数の合計は、この記事を書いている4月4日時点での2067人となっています(日本は3360人)。

2020年4月4日のファクトシート(Facebook: @sure and share)

先にも書いたように、現在はコンサートなどのイベントが一切出来なくなったことで、タイの歌手たちには歌う仕事が一切ありません。

中には副業をやっている人もいますが、非常事態宣言が出された状況では、そちらも上手くいっているかどうか分かりません(動画サイトの広告収入でそれなりに稼いでいる人もいると思いますけど)。

そんな歌手たちの為に国から補償が出るという話も入ってきていますが、ほんのわずかなので、それだけで食べていけるわけではありません(YouTubeなどで稼いでいる歌手は多少余裕があると思いますが)。

そんな危機的な状況の中でも、タイの歌手たちは歌う事を忘れていません。

もともとルークトゥンモーラムはこれまでも時事的な事を題材にして歌を作ってきました。

その時々の災いや大きな出来事を歌にして残してきたのです。

今回のこのパンデミックは、場合によっては命に係わる怖さがあるので、それを歌にするなんて、日本人にはなかなか想像できないかもしれませんが、これは民衆に根差した生きたポピュラー音楽であるならば、ごく自然な事です(日本もかつては演説歌という形で時事的な事を歌にしてきましたが、戦後はそういうものをそぎ落として形骸化してしまいました)。

そんな訳で、たくさんのタイの歌手たちがこの新型コロナウィルスにまつわる歌を作ったり、カヴァーをしたりして、YouTubeを中心に発表しています。

その中から、ルークトゥンモーラムを中心に10曲を選んでみました。

同じテーマでも、歌手によって表現方法は様々です。

今回は選んだ10曲をタイプ別に分けて、紹介します。

心配系

「みんなが病気にかかってしまわないか心配」というスタンスで歌われているのが、この2曲です。

1曲目の「コーウィット・サー、マー・ゴート・ドゥー(新型コロナに気を付けて、すぐそこまで来てるから)」はターイ・オラタイやシリポーン・アムパイポンのプロデューサーであり、作曲家であるクルー・サラーことサラー・クナウットが作った曲です。

新型コロナに感染しない為の基本的な注意事項を、歌詞の中に盛り込みながら、家族や友人、タイの人々を気に掛ける内容の歌詞になっています。

この曲は沢山の歌手がカヴァーしていますが、今回はロットヘーの女王バイポー・ラッティヤーのカヴァーをお聴きください。

2曲目のインヨン・ヨートブアガームが歌う「フアン・トァー・ヂュー・コーウィット(あなたが新型コロナにかかってしまわないか心配です)」も、家族や友人が感染してしまわないかと、不安な心を歌った曲です。

1.โควิดซา มากอดเด้อ(コーウィット・サー、マー・ゴート・ドゥー) - ใบปอ รัตติยา(バイポー・ラッティヤー)

2.ห่วงเธอเจอโควิด19(フアン・トァー・ヂュー・コーウィット19) - ยิ่งยง ยอดบัวงาม(インヨン・ヨートブアガーム)

悲観系

次は、新型コロナという怖い病気がタイにも来てしまい、悲しみに暮れるというタイプの歌です。

3曲目のチンタラー・プーンラープが歌う「コーウィット・マー・ナムター・ライ(新型コロナが来てしまい、涙が流れる)」は、タイトルからもその歌の内容がうかがえると思います。

歌詞は新たに作られたものですが、曲は日本でもその名を知られるイサーン音楽の大御所ダーオ・バーンドーン(ดาว บ้านดอน)の代表曲「コン・キー・ラン・クワーイ(คนขี่หลังควาย)」を使用しています。

MVのクレジットには「作詞・作曲:ダーオ・バーンドーン先生」となっていますが、先生がこの新しい歌詞を書いたかどうかは不明です。

4曲目はモーラムのスーパースター、マイタイ・フアヂャイシンによる曲「コーウィット、チーウィット・トン・ドゥーン・トー(新型コロナでも生活は続けなければならない)」。

他の曲もそうですが、このマイタイの曲もただ嘆くだけでなく、同胞を励まし、共にこの難関を乗り切ろうというメッセージが歌われていて、心を打ちます。

3.โควิดมาน้ำตาไหล(コーウィット・マー・ナムター・ライ) - จินตหรา พูนลาภ(チンタラー・プーンラープ)

4.โควิด ชีวิตต้องเดินต่อ(コーウィット、チーウィット・トン・ドゥン・トー) - ไหมไทย หัวใจศิลป์

社会派系

社会派系というのは、プアチーウィットとよばれるタイプの音楽。

生活や政治に関する内容を中心に歌う、メッセージ性の高いジャンルです。

このタイプのアーティストで新型コロナに関する曲を公開している人は何人かいますが、今回はヌアット・サトーという歌手の曲をチョイスしました。

ヌアット・サトーはR-Siamに所属しているタイ南部出身の歌手です。見た目の暑苦しさからも、その辺が感じられると思います。

この曲のタイトルはシンプルに「Covid-19(新型コロナウィルス)」ですが、サビで「コロナよ、お前はいつここから出ていくんだ!いつ、死にやがるんだ!」と力強いメッセージを歌っています。

なんですけど、MVを観ているとどこかほのぼのしてしまう所もあって、その辺がいかにもタイらしいなというのが、この曲を選んだ理由です。

本人はいたって真剣なんですけどね。

5.โควิด-19(Covid-19) - หนวด สะตอ(ヌアット・サトー)

ラブソング系

この系統の曲は、新型コロナを絡めてラブソング風に仕上げたタイプの歌です。

6曲目はペット・サハラットによる曲で、タイトルは「コーウィット・ラックサー・ハーイ、ラーイヂャイ・ラックサー・ヤーク(新型コロナは治っても、浮気性は治りにくい)」。

7曲目はグラターイ・パンニパーと彼女と同じプロダクションの歌手ネーム・スラポンによる「コーウィット・ガ・ヤーン、コン・ユー・バーン・ガ・ヤーク・ゴート(新型コロナは怖いけど、愛する人を抱きしめたい)」。

どちらも、新型コロナへの注意喚起というよりも、病気をきっかけに浮気がばれた彼女への恨みつらみや、病気のせいで好きな人と会えなくて寂しい、といった内容の歌詞になっています。

ちょっと強引な感じも否めませんが、歌手それぞれの表現方法がありますので、これはこれで良いのではないでしょうか。

6.โควิดรักษาหาย หลายใจรักษายาก - เพชร สหรัตน์

7.โควิดกะย่าน คนอยู่บ้านกะอยากกอด - กระต่าย พรรณนิภา Feat. เนม สุรพงศ์

教育系

この2曲は子供たちにも分かりやすく、明るい雰囲気で新型コロナに注意しましょうと歌われているものです。

8曲目の「Covid-19 マローン・ゴーン・ゲン」はTQM Insurance brokerという、タイのネット保険会社が制作したもので、イサーンで大ヒットしているポット・サーイインディー(พจน์ สายอินดี้)の曲「 マローン・ゴーン・ゲンมะล่องก่องแก่ง)」の歌詞を替えて歌った曲です。

「人込みにはいかないようにしましょう。手をしっかり洗う事を忘れないでね。」という歌詞も出てくるように、子供たちにも分かりやすく伝わるように作られています。

歌っているミックとボーという二人に関して詳しい事は知りませんが、二人とも俳優のようです。

ニコニコしながら踊ったりしていて、能天気に思えるかもしれませんが、その方が子供達の食いつきが良いと考えたのでしょうね。

9曲目「Covid-19」はまさに子供が歌っている曲。

同世代からの言葉の方が、より説得力が増すかもしれません。

この曲はリフがキャッチーなので、一度聴くと頭から離れなくなります。注意してください(笑)。

8.โควิด-19 มะล่องก่องแก่ง(コーウィット19、マローン・ゴーン・ゲン) - มิกค์โบว์(ミック&ボー)

9.โควิด-19 ผึ้งหวาน ทีวีมิวสิค

モーラム系

最後は雰囲気ががらりと変わり、モーラムで新型コロナの事を歌った曲です。

この曲「ラム・プータイ、ターン・パイ・コーウィット19(新型コロナに立ち向かうラムプータイ)」を歌っているのは、オン・ケーン・キアオことポンサポン・ウパニという人です。

彼はケーンやピンなどのイサーンの伝統楽器の演奏者で、チャウィーワン・ダムヌーンやアンカナーン・クンチャイが来日公演を行った際、サポートとして何度も日本に来ているので、ご存じの方も多いでしょう(MVで着ている着流しは、その時購入したものだと思われます)。

ラム・プータイというのはモーラムのスタイルの一つで、ガーラシン、ムクダハーン、サコンナコン、ナコンパノムなど山が多い地域で伝えられてきた、ゆったりとしたリズムが特徴のモーラムです。

モーラムはかつて新聞などのメディアが無い時代、このような形でニュースなどを人々に伝える役割もあったと思われます。

そういう意味では、モーラムの原点をうかがわせる曲とも言えます。

10.ลำภูไท ต้านภัยโควิด 19(ラム・プータイ、ターン・パイ・コーウィット19)- อ้น แคนเขียว(オン・ケーン・キアオ)

最後に:タイでの新型コロナウィルスの現状

タイでは4月3日から全土で、夜10時から朝4時までの外出が禁止されることになりました。

また、大型商業施設や飲食店の閉鎖が命じられ、電車やバスなどの乗り物もマスクを着用していないと乗ることが出来ないなどの措置が取られています。

モーラム楽団も本来でしたら、6月まで活動するのですが、こういう状況になってしまいましたので、シーズン終わりまでに再開できるかどうかは絶望的と考えてよいでしょう。

日本からタイへ行くにも、ほとんどの飛行機がキャンセルされてしまっている為、それもままなりません。

しかし、日本よりもはるかに危機感がある対応がされているので、上手くいけば中国やイタリアのような最悪の状況は避けられるかもしれません。

早くタイに行きたい人も多くいらっしゃると思いますが、ここ今しばらく我慢して、完全に収束してから行く方が、心おきなく楽しめると思います。

【参考ウェブサイト】

タイランドハイパーリンクス(ニュース欄)

在タイ日本大使館

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