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【ロット・ヘーって知ってる?】タイの爆音サウンドカー生体験リポート

タイは今、ロット・ヘー(รถแห่)が熱い! バンコク近郊では多数の場所でロット・ヘーのイベントが行われ、先日8月12日ラヨーンでは7000人もの人が集まったと伝えられています。 ◆8月12日ラヨーン・サパーン4でのイベントの様子 バンコク近郊でこういったイベントが行われるようになったのはここ最近の事ですが、ロット・ヘーそのものはイサーンでは以前からあったものですので、単なる流行ものという訳ではありません。 ところで「ロット・ヘー」と聞いて、どんなものかすぐにイメージできる人が日本ではどれくらいいるでしょうか? かくいう自分もつい最近までロット・ヘーの事は詳しく知りませんでした。 ですので、ロット・ヘーがどういうものかの説明も交えつつ、先日イサーンで体験してきたロット・ヘーのリポートをお伝えしたいと思います。 「ロット・ヘー」って何? 「ロット・ヘー」とは、簡単に言ってしまえば、改造トラックにサウンドシステムとフルバンドを載せたサウンドカーの事です。 ◆ブリラムのロットヘー・チーム「ワーリーシン・イサーン」の車 「ロット(รถ)=車、ヘー(แห่)=行進、隊列を組む」という意味で、車を先頭に人々が踊りながら後を付いてくる、その様から名付けられたのでしょう。 ロット・ヘーは基本的に出家や結婚などお祝い事がある時に出動する場合が多いのですが、コンサート形式のイベントでも活躍する時があります。 最近、日本でも知られるようになったピン・プラユック(エレクトリック・ピン)も同じように祝い事で行われますが、ロット・ヘーはその最上級版と言えます。 なぜ最上級なのかというと、その規模もそうですが、なんせ車にフルバンドを積んでいますし、大量のスピーカーやウーハーでその爆音さ加減がハンパないからです。 当然ロット・ヘーを呼ぶ費用もピンプラユックよりも高いものと考えられます。 ロット・ヘーの構造 ロット・ヘーは先ほども触れたようにトラックを改造して作られています。 荷台は2階建てバスのようになっていて、上段はバンドや歌手が乗って演奏する場所、下段がイコライザーやエフェクターなど機材を積む場所になっています。 ◆ロット・ヘーの上段部分 ◆機材類が積まれた下段部分 そして前方と後方には大量のスピーカーとウーハーが積まれています。 ◆ロット・ヘーの前方 ◆ロット・ヘーの後方 写真を見ていただいても想像できるように、ロット・ヘーはものすごい音量で村の中を行進していきます。 例えばスマートフォンで動画を撮ろうものなら、よほどカメラ機能が良いものでない限り音割れして聴くに耐えられないものになってしまうくらいです。 自分は今回デジタル一眼カメラに、滅多に音割れしない外部マイクを取り付けて撮影したのですが、それでも車に近づいて撮影していた時は音が割れてしまっていました。 こちらの動画はコンケーンで撮影して来たロット・ヘーの一部ですが、車の近くで撮影していたので、若干音割れしてしまっています。 また、バンドが乗っている部分は非常に高い位置にあるので、下にいる人達から演奏している所は見えません。 バンドが乗っている荷台部分がどうなっているのか気になる人もいると思いますが、そちらはYouTubeにロットヘー・チームがアップしている動画で観ることができます。 こちらはマハーサーラカームの「チーム・オーディオ」というチームの車内で撮影された動画です。 ロットヘー・リポート Part1@ブリーラム それでは、ここからイサーンで実際に観て来たロット・ヘーのリポートをお伝えしたいと思います。 まずは6月14日、ブリーラムのバーンサイ(บ้านไทร)という村で観たロット・ヘーです。 この日はブリーラムのナーンローン(นางรอง)という所に居たので、バスターミナルで客待ちしていたタクシーに交渉して、1km10バーツで往復でという約束で行ってもらいました。 ロット・ヘーを観る上で最大の難関は行き返りの足です。なんせ、行われているのは単なる村で公共の交通機関はほぼありませんので。 運転手も迷いながらようやく到着したのは、本当に何の変哲もない村でした。 この日のロット・ヘーを担当していたチームの名前は「ワーリーシン・イサーン(วารีศิลป์อีสาน)」。この日はやはり村の若者が出家するので、そのお祝いが行われていました。 ロット・ヘーの演奏が始まると、主役の出家する若者を乗せた車がまず出発し、その後をロットヘーが追いかけるように進んでいきます。 この日は平日だった事もあって、お祝いに駆けつけた人たちは全体的に平均年齢高め。しかし、ロット・ヘーの演奏が始まると、その音に引き寄せられ、皆が踊り始めました。 それと、ブリーラムといえばガントゥルム(กันตรึม)が有名な場所で、ガントゥルムの主役と言えばソーという楽器です。 このワーリーシン・イサーンというチームはブリーラムのチームですので、バンド編成にはソーも含まれていて、コーンケーンやマハーサーラカームのチームとはまた違う雰囲気が醸し出されていて面白かったです。 出家のお祝いという事なので、行列の終点はお寺かと思っていましたが、たぶんそのまま車ではお寺に入れないという理由もあってか、ロット・ヘーは1時間ほどかけて一旦出発した場所へ戻ってきました。 それにしてもこの爆音さ加減は凄かったです。日本の街宣車のレベルをはるかに超えています。その点は動画ではなかなか伝わり難いかもしれませんが。 初めての生ロット・ヘー体験は強烈でした。 ロットヘー・リポート Part2@コーンケーン ブリーラムで初ロット・ヘーを体験した3日後、再びロット・ヘーを観る機会がありました。 6月17日は昼間の予定は特に無かったのですが、フェイスブックを見ていたら、フォローしているネーン・ガノゴーン(แนน กนกอร)という歌手が「今からロット・ヘーで歌う」という投稿をしていました。 そして場所を調べると、何とか自分が居たところからいけそうな距離。という事で、速攻でタクシーを呼んで、現場に向かいました。 この日の場所はコンケーンの中心部からも程近いバーンデーンノーイ(บ้านแดงน้อย)という村だったのですが、中心部から近いとはいえ、少し外れればやっぱりただの村です。 この時もやっぱりストレートには到着せず、やはり迷いながら何とか到着。情報を知ったのが遅かった事もあり、行列はだいぶ進んでいました。 今回のロット・ヘーを担当していたのは、コンケーンのチームでリンロム・コンケーン(ลิงลม ขอนแก่น)というチーム。このチームはかなりクオリティが高くて、しかも天井に乗って歌ったりするので、盛り上がりもハンパなかったです。 さらに前回のブリーラムと違っていたところは、日曜日だったこともあり若い子達が大勢参加していた事です。 その分、弾けっぷりがすごくて、まさにYouTubeで見ていたままの光景が目の前で繰り広げられていました。 テンションが高いまま踊りまくりの行列はこのまま2時間ほど続きました。 以前から会いたかったネーンとも会うことが出来ましたし、この日も非常に貴重な体験が出来ました。 【おまけ】ロット・ヘーを観る方法 情報の入手方法 最後にロット・ヘーを観るにはどのようにしたら良いのかを、少しだけお伝えしたいと思います。 まず、いつどこであるのかという情報を入手するにはFacebookが最上の手段です。ロット・ヘーのFacebookページがいくつもありますので、そこにアップされた投稿を頼りに情報を入手するのが一番良いと思います。ただし、基本タイ語ですので、その点はご了承ください。 【主要ロットヘー Facebookページ】 ◆リンロム・コンケーン(コンケーン) https://www.facebook.com/Benzlinglom/?ref=br_rs ◆ワーリーシン・イサーン(ブリーラム) https://www.facebook.com/FCwareesill/?ref=br_rs ◆ロットヘー・ファンクラブ https://www.facebook.com/FanClubRthHae/ また、イサーンに友人がいるならば、「ロット・ヘーの情報が入ったら教えてくれ」と頼んでおくのも手でしょう。Facebookにアップされない情報も沢山ありますので。 交通手段 本文中でも何度もお伝えしていますが、ロット・ヘーが観られる場所は基本村のど真ん中みたいな場所です。 電車はもちろんバスやソンテウなどもほとんどありませんので、タクシーを使うのが最善策です。 ただし、タクシーを使う場合でもチャーターという形をとってください。でないと、行っても帰ってこられなくなる可能性がありますので。待ち時間も含めて往復でいくらになるか運転手と相談して決めるのが良いでしょう。 あるいは友人が車を持っていれば、一緒に行ってもらうのも良いと思います。 いずれにしても、行きよりも帰りの足をしっかりと確保しておく事が重要です。 ロット・ヘーはバンコクでも観られる と、ここまで説明しておいて何ですが、イサーンでロット・ヘーを観るのはかなりハードルが高いです。 もし、環境などにこだわらなければ、今、ロット・ヘーはバンコク近郊でも観る事が出来ます。 そのイベントはロットヘー・サンヂョン(รถแห่ สัญจร)というのですが、いくつかのチームの車が集まって、コンサート形式で行われるイベントです。 少し前までバンコク近郊でロットヘー・イベントを行う事は不可能だと思っていたのですが、この夏は一気にその手のイベントが行われるようになりました。 ◆バンコク近郊でのロット・ヘー情報。この辺は比較的入手しやすい。 ロットヘー・サンヂョンを観る際の注意点は、とにかく人が集まりますので、身の回りには充分注意してください。 と、ロット・ヘーを観るにはこのような方法がありますが、いずれにしても観る場合はあまり無理をなさらずに、安全な方法で観に行ってください。 タイ・エンタテインメントの究極のスタイルとも言えるこのロット・ヘー。 日本では半永久的に再現不可能なスタイルですので、タイに行かれた際に機会があれば、ぜひ一度体験してみて下さい。

【タイフェス2018】ウーン The Star ライブ&インタビュー

日本のタイ好きな方々にはおなじみのイベント「タイフェスティバル」。 2018年は5月12・13日の東京を皮切りに、5月19・20日大阪、6月2・3日名古屋と予定されており、その他の地域でも順次開催予定と、年を追って全国的に盛り上がりを見せております。   まず一番最初の開催となった東京は、例年歩く事すら困難なほどの人出なのですが、今年はBNK48という旬のアイドルグループが出演した事もあり、例年にも増してさらに大盛況でした。 そして、音楽ファンとしては一番楽しみなのが本場タイからやってくる歌手達が出演するコンサートです。 東京でも数年前からルークトゥンモーラムの歌手がくるようになったので(それまでは無かった)、今年は誰が来るかと期待していたところ、何とウーン・ザ・スターが出演メンバーの中にラインナップされていました! 彼女とはバンコクやコラートで何度か会った事があるのですが、しばらく会う機会が無かったので、久しぶりの再会を楽しみにしていました。 また、今回「タイごはんとタイカルチャーの会」の協力で、わずかな時間ですがインタビューもさせてもらう事が出来たので、ライブリポートと一緒に紹介します。 まずはウーンのステージですが、今回はポップス歌手勢の中にルークトゥン歌手は1人という状況の中で、どうなるか若干の不安もありましたが、かなり奮闘していて、会場もかなり盛り上がっていました。 Pijikaの次に登場したウーンは大勢の人達を前にかなり堂に入った佇(たたず)まいで、時には舞台を降りて観客と絡みながら、約20分程の持ち時間でしたが、充実したステージになっていたと思います。 曲はプムプアン・ドゥアンヂャン(พุ่มพวง ดวงจันทร์)のカヴァー曲を中心に選曲。自身のオリジナル曲が少なかったのはファンにとっては少々残念でしたが、他の歌手や全体的な構成から考えても、この選択は正解でした。 結婚・出産後のウーンのステージを観るのは初めてでしたが、以前にも増してステージ作りが巧みになっているように感じましたし、子供がいるような雰囲気は微塵も感じさせない若々しさが(といってもまだ30代前半ですから当然と言えば当然ですが)、この先まだまだ一線で活躍するであろう事を感じさせてくれました。 ステージ終了後、バックステージで10分ほどでしたがインタビューをさせていただきました。 まずは以前タイで会った事があるのを覚えているか聞いてみたところ、「覚えている」と。でも、これは誰に聞いてもこう答えるので、社交辞令みたいのものなんですけどね(キットゥンと言ってくるのと同じです)。 また、ウーンは2008年に大阪のタイフェスティバルに出演した事があるのですが、東京で歌うのは初めてのはずなので、その辺の事から質問してみました。 ◆10年前に大阪のタイフェスに出演されてましたけど、東京に来るのは今回が初めてですか? ウーン:歌を歌う為に来たのは初めてですが、観光では4回来ています。 ◆初めて東京で歌った感想はいかがですか? ウーン:お客さんも沢山いましたし、楽しかったです。 ◆結婚されて娘さん(ナカちゃん、2歳)もできましたが、今回は一緒に日本にいらしたんですか? ウーン:今回は一緒に来ませんでした。娘は夫と一緒に家に居ます。 ◆結婚後、歌の仕事と家庭はどれくらいの割合ですか? ウーン:娘が産まれた時は子育てが初めてだったので、歌の仕事はお休みして家庭に集中しました。今は娘も幼稚園に通いはじめましたし、夫や夫の母も子供の面倒をみてくれるようになったので、新しい仕事や歌の仕事を再開する事ができました。 ◆結婚前と結婚後では歌うときの気持ちは変わりましたか? ウーン:スタイルは変わっていませんが、歌う内容は変わりました。以前は恋愛がテーマの曲が中心でしたが、今は家族についての歌も増えましたし、人生においての良いことや上手くいかないことなどテーマにするようになりました。女性に向けて歌う事が多くなりましたね。 ◆仕事でやってみたい事はありますか? ウーン:これからは歌の仕事だけでなく、ドラマの仕事もやってみたいと思っています。 ◆新曲の予定はありますか? ウーン:新曲は年内に発表する予定です。アルバムは来年になると思います。 ◆日本にもウーンさんのファンは沢山いて、今回の来日を心待ちにしていました。 ウーン:凄く嬉しかったです。今回ルークトゥン歌手は私1人だけだったので、ファンの方々の声援が励みになりました。中には大阪のコンサートに来てくれた人がまた応援に来てくれていて、とても嬉しかったです。 今回、ルークトゥンモーラム歌手が1人だけになってしまったのは残念ですが、全く無いよりは全然良かったですし、ウーンに再会できたのは大きな収穫でした。 来年ははたしてどんな歌手が日本に来てくれるでしょうか?出来れば、イサーン・インディーの歌手が来てくれると嬉しいですね。 協力:タイごはんとタイカルチャーの会

【モーラム・スペシャル・ライブ】渋谷がイサーンになった歴史的一夜

まさに歴史的一夜になったと思う。2018年2月24日、渋谷WWWで開催されたモーラム・スペシャル・ライブ。 「爆音映画祭2018タイ・イサーン特集Vol.2」の一環で行われたこのコンサート。何が凄いって、タイから人間国宝が二人も来たからである。 【爆音映画祭】特集タイ|イサーンVol.2@WWW(東京・渋谷) 今回来日したチャウィーワン・ダムヌーン(ฉวีวรรณ ดำเนิน)とポー・チャラートノーイ・ソンスーム(ป.ฉลาดน้อย ส่งเสริม)は共にタイから人間国宝と認められたモーラム歌手。 お二人は昨年(2017年)5月に東京で開催されたタイ・フェスティバルにも出演していたが、その時はタイ各地の芸能を紹介する出し物の一部に出演しただけだったので、お二人の歌をタップリ聴きたいと思っていた我々にとっては、短い時間しか聴けずに消化不良だった。 ◆チャウィーワン・ダムヌーン、ポー・チャラートノーイ・ソンスーム@タイフェスティバル2017 しかし、その欲求不満を解消してくれた今回のこのイベント。タイでもこういう形で聴く事が出来る機会は少ないので、この場に居合わせる事が出来た人達は本当にラッキーだったと思う。 思えば、ちょっと前まではまさか本物のチャウィーワンさんとお会いできるとは考えてもいなかった。 3年ほど前に「Y/OUR MUSIC」というタイのインデペンデント音楽を取材したドキュメンタリー映画がタイで公開された事があったが、その映画の中でチラッと登場したチャウィーワンさんを見て、とてもお元気そうな姿を見る事が出来て、それだけでも本当に嬉しかったものだった。 ◆Y/OUR MUSIC Trailer また、ポー・チャラートノーイ先生はラムローンの名手で、本「まとわるつくタイの音楽」でも若かりし頃の姿を拝見していたし、CDでも先生のモーラムを聴いていたので、タイフェスティバルでお二人にお会いできたのは夢のようだった。 そんな思いもあって、この日の夜は日本でのタイ音楽の歴史に於いても重要な日になっただけでなく、自分にとっても忘れられない夜になった。 会場になったShibuya WWWはかつてシネマライズ渋谷という映画館だった場所。そこの座席を全部取り払って、ライブに対応できるよう作り直されたようだ。 自分がチケットを買ったのは発売されてしばらくしてからだったが、その時もまだ余裕で買う事ができたので、お節介ながらも客入りを心配していた。しかし、蓋を開けてみれば超満員の大盛況。内心、ちょっとホッとした。 ライブは予定時間を若干過ぎてからのスタート。まず登場したのはピン・プラユックを取り入れた日本で唯一のバンド、Monaural Mini Plug(モノラル・ミニ・プラグ)。 彼らのライブは昨年9月に新宿で観た事があったが、着実な成長がうかがえたステージだった。   しかも、途中ケーン奏者の牛田君を筆頭に、客席を練り歩くという演出も見せて、約30分ノンストップの演奏に観客も大いに盛り上がっていた。 もちろんまだ発展途上で改善すべき点はあるが、ピン・プラユックに目を付けたセンスといい、メンバーが20代中盤の若さという事を考えても、将来が楽しみなバンドである。 モノミニに続いて登場したのは、こちらは大ベテランのキーボード奏者、エマーソン北村さん。 北村さんは後期JAGATARAやMUTE BEATといった伝説的バンドで活動されてきたミュージシャン。 今回は「田舎はいいね」という映画「バンコク・ナイツ」で劇中歌に使われた曲のインストカヴァーをリリースした関連でこのイベントへの参加になったようだ。 演奏曲はその「田舎はいいね」を含めて、北村さんのソロアルバムからの曲を中心に演奏された。 リズムボックスのみをバックに片手でメロディーを弾きながら、もう片方でベースを弾き、さらにミキサーもいじるという離れ業は、さすがのベテランと思わされた。 しかし、オリジナル曲はタイとあまり関係ない為、正直、場違い感があり、客席も若干冷めてしまったのは否めなかった。もう少しタイにまつわる何かがあれば良かったのかも。 3番手で登場したのはスリ・ヤムヒ&ザ・バビロン・バンド。こちらも映画「バンコク・ナイツ」に楽曲を提供している関係での出演のよう。 かれらはその「バンコク・ナイツ」の映像をバックに演奏するスタイル。音楽性そのものはタイとは何の関係もないが、キャリアもあるだけになかなか聴かせる演奏だった。 さらに雰囲気が上手く映像とマッチしていたこともあって、観客を映画に引き込んでいたのはさすがである。 バビロン・バンドの後は、主催者からの挨拶をはさみ、いよいよこの日のメインであるチャウィーワン・ダムヌーンとポー・チャラートノーイ・ソンスームの登場である。 まずはサポートを務めるポンサポーン・ウパニによるピンの独奏からスタート。 ポンサポーン・ウパニさんはタイでは「オン・ケーン・キアオ(อ้นแคนเขียว)」という名前で活動している(チャウィーワンさんもそう紹介していた)。この名前は「緑のケーンのオン(オンはバンブーラットorルートラットというねずみの事で、彼のニックネームだと思われる)」という意味で、ウパニさんのトレードマークである緑のケーンを冠した名前である。 ピンの独奏の後は、ピンをそのトレードマークである緑のケーンに持ち替えて、ケーンの独奏。日本人はケーンがよっぽど好きなのか、これだけで大盛り上がりである。 そして、ようやく人間国宝の二人が歌い始める。 まず、チャウィーワンさんが感謝の念をこめたラムを歌い、続いてチャラートノーイ先生がそれを受け継ぐというスタイルで序盤は進行していった。 凄かったのは、二人の年齢を感じさせない声の力強さである。一節でその場の空気をガラリと変えてしまう力が、言葉の壁を越えて我々の耳にダイレクトに響いてきた。 さらにウパニさんの巧みなサポートもあり、3人だけの演奏でも会場は伝統音楽のコンサートとは思えない熱気に包まれていた。 しかし、この日の最大の見せ場はこの後であった。エマーソン北村さんとバビロン・バンドの面々が演奏に加わり、この日限りのスペシャル・セッションがスタート。 「私は年寄りだから応援してね」などとチャウィーワンさんが冗談まじりに言っていたが、いやいやどうして、バンドに負けじとこの日一番のパワフルな歌を聴かせてくれた。 伝統音楽の歌手が軽々とジャンルを飛び越えてしまう事に、我々日本人は驚かずにいられない。伝統と現代の融合が一向に上手くいかない日本の音楽界からしたら、なんとも羨ましい光景である。 ここで演奏されている曲「ラム・トゥーイ・チャウィーワン()」は、大ヒットコンピCD「The Sound of Siam Vol.1」にも収録されている。 日本のミュージシャンとタイの歌手とのスリリングな攻防は3曲ほど続き、大盛り上がりで一夜限りのスペシャル・ライブは幕を閉じた。 ・・・はずだったが、やはりこのまま帰るのは名残惜しいと、観客はアンコールを求めた。しかし、実はタイにはアンコールの習慣がない。 最近、ポップス・ロック系のコンサートではある時もあるのだが、ルークトゥン・モーラムのコンサートでは、通常、歌手が「さよなら~」と言ったらそこでお終いである。観客もそのまま素直に帰る(というか、終わりが近づいて来たら、コンサートが続いていても帰り始める)。 にもかかわらず、観客の要望に応えてくれて、特別に1曲歌ってくれた人間国宝の二人。この最後の1曲がもしかしたらこの日の最高の1曲だったかもしれない。 これだけ反応が良ければ、歌っている人達の気分も悪かろうはずはない。お二人も明らかに機嫌が良さそうに思えた。 チャウィーワンさんは最後に、このコンサートを企画してくれたSoi48の二人の名前を呼びながら「日本の二人の息子がここに来る機会を与えてくれました。私は74歳(チャラートノーイ先生は71歳)になりますが、このステージに立てて本当に幸せです。」という言葉で締めくくってくれた。 そして、この歴史的一夜を体験できた私たちも本当に幸せだった。こんなチャンスを作ってくれたSoi48の二人と主催のboidさんには感謝の念でいっぱいである。  

【コンサートリポート】タカテーンのモーラムに対する本気度やいかに?

先日(2018年2月2日)、久しぶりにタカテーン・チョンラダー(ตั๊กแตน ชลดา)のコンサートを観て来ました。 場所はラオスと国境を接するイサーンのノーンカーイ。バンコク近郊でも充分観られる彼女のコンサートを、なぜわざわざそんな所まで観に行ったかというと、別にタカテーン目当てで言った訳ではなく、モーラムのコンサートを観に行ったら、たまたま会場が近くだったので、行ってみようという事になりました。 タカテーンのコンサートは以前、頻繁に観ていました。ファンミーティングに参加したり、アルバム成功祈願にコラートまで行った事もありました。 しかし、自分の興味がモーラムに傾いていってからはほとんど観る機会が無くなってしまい、この日は1年半ぶりくらいだったと思います。 ただ、その間にタカテーンはペット・サハラットと結婚した事で、彼女もモーラムの方へ寄って来たのは、不思議な偶然でした。 そんな事で、機会があれば観たいと思っていた今のタカテーン。たまたま自分達がいた場所から近くで会えたのは運が良かったです。 ただ、久しぶりにステージで観る彼女には以前のような勢いは無く、どことなく迷いも感じたコンサートでした。 この日、10時頃のスタートだと読んでいた僕と友人は、少し早めの8時半頃、宿で借りた自転車で会場に向かいました。途中、この後行く予定のお寺に寄りつつ、9時頃に会場に到着。 とりあえずバックステージを確認すると、既にタカテーンが車の中でスタンバっていました。 前日のボーイ・パノムプライの時は会場の入りがいまいちでしたが、タカテーンはさすがにネームヴァリューもあって、結構な人が入っていました。 まだコンサートが始まるまでは時間があるだろうと、我々は屋台で買い物をして、のんびりテーブルでご飯を食べていると、予想よりも30分も早くコンサートが開始。慌ててステージ前へ向かいました。 最近はバンドも組んでいるタカテーンでしたので、この日もバンドを連れて来るかと思っていたのですが、残念ながらバンドは来ていなくて、4人のダンサーを連れてきていただけで、音はカラオケでした。 全身黒ずくめで登場したタカテーン。コンサートのスタートはラムシン路線の最初の曲となった「ガイ・ゴーン(ไหง่ง่อง)」からでした。 さすが本家!という歌を期待していたのですが、どこか心がこもっていない歌に拍子抜け。これだったら、モーラム楽団でカヴァーしている人達のほうが全然マシです。 その後も新曲を中心にタカテーンの代表曲も含めて歌が続きましたが、絶好調だった頃の彼女を知っている身としては、とても調子が良いと思える歌ではありませんでした。 その理由は歌い方が雑というか、丁寧に歌っていないのが素人にも一目瞭然。抜群の歌唱力を持っているタカテーンですが、それを活かす歌を歌っていない事は明らかでした。 ペット・サハラットという音楽的にも最良のパートナーを得たにも関わらず、それがいまいち良い方向に行っていないようです。 そんなステージでしたので、30分も観ていたら飽きてきてしまい、早めに本来の目的のモーラム・コンサートに行こうかと考えていた所で、ちょっと面白い展開がありました。 今までのタカテーンだったら歌わなかったであろうラムシンの定番曲を歌ったのです。 業界最大手であるグラミーの、その中でもトップの歌手である彼女ですので、自分の持ち歌だけでも充分時間を持たせる事ができるのですが、そこをあえて他人の曲を歌うというチャレンジ精神は、幻滅しかけたこの歌手に若干の期待を持たせてくれました。 この時歌ったラムシン定番曲は4曲。「プアプルーレーウ・ヂューガン(ผัวเผลอแล้วเจอกัน)」、「チョムロムコン・プアプルー(ชมรมคนผัวเผลอ)」、「プア・パイ(ผัวไผ)」、「タオ・ンゴーイ(เต่างอย)」という、タイトルだけではピント来ないかもしれませんが、聴けばすぐに分るであろう、モーラムコンサートでは頻繁に耳にする曲です。 ◆ตั๊กแตน ชลดา(タカテーン・チョンラダー)/เมดเลย์ลำซิ่ง(ラムシン・メドレー) 他人の曲というだけでなく、他の会社の曲という意味でも意外だったこの選曲。 しかし、タカテーンはやはりルークトゥンの人であって、付け焼刃でラムシンを歌っても、表面的になぞる事はできても、「ラムシンらしさ」を表現するのは歌が上手い彼女でもそう簡単に出来る事ではなかったようです。 どこか空々しさを感じさせるタカテーンの歌を聴いていると、やはり彼女にはモーラムは向いていないのかな、と思わざるを得ませんでした。コラート出身なので、決してモーラムとは無縁ではないはずなのですが・・・。 それまでどこか迷っている感じがしていたタカテーンが、ペット・サハラットとの出会ったことで面白い展開を期待していたのですが、どうもそれが上手く実を結んでいないようです。 歌唱力だけでなく、ジャンルの違う歌手ともコラボレーションできる高いポテンシャルを持っているタカテーン。 一時代を築いた彼女ですが、そこに安住することなく、どんどん新しい事にチャレンジして、良い意味で我々を裏切ってくれる展開を期待したいものです。

【秋のモーラム・ツアー2017】Part8:シアンイサーン楽団開きコンサート@ウドンタニー

2018/01/13   -モーラム, リポート

本拠地があるウドンでのシアンイサーン楽団開きコンサート モーラムツアーもようやく終盤です。 10月6日はかねてからの念願だった、本拠地ウドンタニーでのシアンイサーンの楽団開きコンサートに行ってきました。 前日滞在していたルーイ県チェンカーンからは、まずバスに1時間弱乗りルーイのバスターミナルまで行き、そこで乗り換えて約3時間でウドンタニーの新バスターミナルへ到着しました。 しかし、この「新バスターミナル」というのが曲者で、街中にあるいつものバスターミナルとは違い、辺鄙な所にあるんです。ルーイ~ウドンタニー間のバスというのが基本この新バスターミナルから発着することになったらしく・・・。ウドンタニーからルーイへ行く際もこの新バスターミナルからの出発になるので、これからこのルートで旅行される方はご注意ください。 という事で、一旦旧バスターミナル(といっても、今もバリバリ稼動しています)に出て、そこからモータサイでこの日の宿へ。宿からコンサートが行われるシアンイサーンの宿舎までは1本道で、充分歩いて行ける距離です。 今回このシアンイサーンの宿舎には初めて行ったのですが、中心部からそれほど遠くありませんし、近辺には意外と宿も有って、旅行者でも来やすい所だというのが分りました。今度はモーラム好き仲間達と一緒に来ても良いかもしれません。 宿に到着したのが夕方だったという事もあり、コンサート開始までまだ少し時間があったので、状況を確かめに歩いてシアンイサーン宿舎まで行ってみました。 しかし、地図で見るのと実際に歩くのとは大違いで、これが結構大変でした。1本道なのでそれほど複雑ではないのですが、道そのものが歩行しやすいように出来ていませんからね。 結局20分くらいかけてようやく目的地に到着。周辺では既に屋台などが準備して賑わっていました。 舞台ではダンサー達がリハーサルの真っ最中でした。1年で一番大切な日とあって、気合の入りようがヒシヒシと伝わってきます。 コンサートが行われる場所のすぐ横に、ノックノーイはじめ歌手やダンサー達が住んでいる建物がありまして、入り口には写真で見た事もある立派なナーガ像がありました。これを実際に自分の目で見られるなんて、感激もひとしおです。 一通り状況も確認したので、一旦宿に帰り仮眠。シラピンプータイの楽団開きコンサートが10時はじまりでしたから、今回もそんな感じかなと勝手に思い、9時に会場に着くように宿を出ました。 しかし、到着すると既に楽団長のノックノーイ・ウライポンと彼女の娘のノーンペンが舞台に上がっていました。慌てて場所を確保し、撮影の準備をします。 しばらくすると、登場したのはシアンイサーンの歌手ではなくゲストでした。 まずは1人目はジャネット・キアウ。この人、もう50歳近いのですが、踊りもキレがありますし本当にいつも元気です。以前も別の場所で会った事があるのですが、舞台を降りても喋りっぱなしで、ステージ上と全然変わらなかったのがすごかったです。素も本当にパワフルな人です。 ジャネットに続いて登場したのは、こちらも同じくトップラインの歌手で、モーラム楽団「ノームグラオ・ルークイサーン(น้อมเกล้าลูกอีสาน)」を率いているノーンマイ・ムアンチュムペー(น้องใหม่ เมืองชุมแพ)でした。彼女も結構盛り上がりました。 そしてゲストの歌が終わった後はいよいよシアンイサーン本編のスタートです! といっても、シアンイサーンのステージはほぼ出来上がっているので、毎年それほど大きな変化は無く、ステージセットなど多少のマイナーチェンジがあるだけなのですが、それでもこのシアンイサーンの本拠地で観る事が出来たのは最高の喜びです。 ただひとつ残念なのは、シアンイサーンでお気に入りの歌手の1人だったベルちゃんが参加していないことです。 彼女は今ゴン・フアイライと付き合っているのですが、そちらを優先する為か今季はシアンイサーンのステージには上がっていません。年明けから出るという情報もありましたけど、今の所参加している様子は無いようですね。 それにしてもタイ最大の楽団である事はもちろん、歴史も長いだけあって、観に来ているお客さんが凄いです。 舞台がお笑いに入った所で食事をしようと屋台に行く途中で、プラトム・バントゥンシンのエーン・オラディーに会いましたし、同じ楽団のマイ・パッチャリーとユーちゃんも観に来ていました。 他にもラッタナシン・インタータイラートやラビアップ・ワータシンの歌手も着ていたようですし、僕がお気に入りのバンコクのパブ「イサーン・ラムプルーン」の箱付き歌手達もわざわざバンコクから観に来ていました。 夜明けのトゥーイでフィーバー シラピンプータイやモーラムヂャイグンローイの時もそうだったのですが、今回のシアンイサーンもやっぱり盛り上がり始めるのは夜中に入ってからでした。 日付が変わった頃から皆立ち上がって踊りだします。 そんな真夜中の時間帯に気になった曲が有ったので、動画撮影して来ました。 それはノーンペン・ナッティダーが歌っていた曲なのですが、ラテンの要素を取り入れたこの曲、カヴァーかと思ったらペンちゃんのオリジナルでした。 「タイトルが分らない~」とFBに書き込みをしたら、なんとペンちゃん本人が教えてくれました。 夜中はラムプルーンという、イサーン版ミュージカルとでも言いましょうか、交互に繰り広げられる歌とお芝居が明け方まで続きます。 案の定、時間が深くなるにつれてテンションが上がっていくお客さん。仕舞いには悪役を演じていた看板歌手(男性)に、直接みんなで本気で文句を言い始める始末。お芝居なんだからさぁ~(笑)。いくらなんだって感情移入のしすぎです。そりゃ文句を言われていた歌手だって苦笑いですよ。 それとビックリしたのが、お芝居の最中で本物の赤ん坊の舞台にあげていた事。しかも時間は夜中の2時。さらにその赤ん坊を本気で小突いて大泣きさせていました。これにはさすがのタイ人もちょっと引いていましたね。 人形でも全然良いと思うんですけどね。この子、きっとトラウマになりますよ^^; 最後は明けかかる空をバックにお別れのメドレー「トゥーイ・ラー(เต้ยลา)」です。 お客さんはさらにテンション・マックスで、名残惜しむかのように踊り狂っておりました。   シアンイサーンのエンディングテーマ(本当はノックノーイのオリジナル曲なのですが、少なくとも僕はそう思っています)「ヂャイ・ボーイ・ビン(ใจโบยบิน)」が歌われると、コンサートもおしまいの合図です。 帰り際、バックステージでペンちゃんやナムターンと2ショット撮影会。ウィちゃんはこのコンサートの後、日本に来る予定があったので、その時また会いましょうと約束をして別れました。 いつか観たいと漠然と思っていた、シアンイサーンの楽団開きを本拠地ウドンタニーで観るという希望は、意外にも早く実現しました。 そして約2週間続いた秋のモーラム・ツアーも良い余韻を残して終わる事ができました。 来年も来たいですね~。その前にシーズン終了時のコンサートかな・・・。

【秋のモーラム・ツアー2017】Part7:新たなカリスマの誕生を見た夜

衝撃的だったチェンカーン2日目の夜 10月5日は前日に引き続きチェンカーンに滞在。 前日の様子はこちら⇒ 【秋のモーラム・ツアー2017】Part6:ラムヤイを追って再びイサーンへ もちろんコンサートを観るためですが、昼間は時間があったので、ゲストハウスの自転車を借りてチェンカーンの街を散策してみました。 チェンカーンは今タイ人に大人気の観光スポットで、メコン川沿いに有り、ゆったりした時間が流れている場所なのですが、それほど大きくないので1日2日あれば観光する充分です。この時も2,3時間で近場を周っただけで観光終了。この辺に関してはまったくセンスがない自分です(笑)。 夜のコンサートは前日のラムヤイの時と同じ場所で、2人の人気インディー歌手が出演する事になっていました。 1人は「プーサオ・キーラオ(ผู้สาวขี้เหล้า)」という曲が大ヒットしているメー・ヂラーポン(เมย์ จิราพร)。もう1人は、こちらも新曲「ターン・マー・ヤー・フア・サーガン(ทานหมาอย่าหัวซากัน)」が大人気のネスカフェ・シーナコン(เนสกาแฟ ศรีนคร)です。ネスは以前ラムヤイやアームと一緒にコンサートを周っていた時に何度も会っていたので、久しぶりの再会になります。 ただ、この時はまだネスのコンサートが予想だにしない状況になるとは、微塵も思っていませんでした。 メー・ヂラーポンの歌唱力は上がったか? メー・ヂラーポンと会うのも初めてという訳ではなく、2017年1月にヤソートンでアーム、ネス、メー3人のコンサートがあった時に観に行ったので、その時に会った事がありました。 当時、彼女の最初の曲「プーサオ・ガオ(ผู้สาวเก่า)」が結構ヒットしていたのですが、なかなかバンコクに来てくれなかったので、コンケーンでモーラム・フェスティバルを観た後、時間を作ってヤソートンへ観に行ったという訳です。 しかし、この時メーには悪い意味で裏切られました。お世辞にも歌が上手いとは言えないほどの歌唱力だったんです。自分は必ずしも「歌が上手くなければダメ」とは思ったりはしないのですが、彼女の場合はさすがに聴くに耐えられるレベルではありませんでした。 仮に歌以外の事(例えばトークが上手いとか)でマイナス面を補えたりすれば、また印象も違っていたのでしょうが、それも無く、非常にガッカリしたのを今でも鮮明に覚えています。 ◆その時の証拠動画 しかし、それから9ヶ月が経ち、きっとその辺も変わっているのではないか、と期待半分不安半分で彼女の登場を待ちました。 で、結論から言うと、メーの歌唱力は「若干」は上達していたようでした。 ただそれはアップテンポの曲に限っていえる事で、リズムの強い曲だと多少のごまかす事がききますから、そんなに気にならないというのが本音です。 それが、スローの曲になると途端に音程がガタガタになってしまうという(しかも自分の持ち歌であるプーサオ・ガオが一番ダメって、どういうこと?w)。残念ながら手放しで絶賛できるほどには上手くはなっていなかった、というのが正直な所です。 ネスのカリスマ的人気を垣間見た瞬間 メーのコンサートはさすがに曲がヒットしているという事もあり、そこそこ盛り上がりましたが、自分にとっての本番はこの後です。 この旅でどうしてもネスのコンサートが観たかった理由は、新曲が好調という事もありますが、どうも彼女を取り巻く環境が大きく変わっているのではないかという胸騒ぎがしたからです。 メーの出番が終わりかけた頃、舞台裏に行くと既にネスがスタンバイをしていました。2ショット写真を撮ってもらいつつ、「どうやって来たの?」などとお決まりの会話をした後、ステージ前にもどり彼女の登場を待ちました。 すると、ネスの出番が近づくにつれ、どんどん増えだす警備員。最終的には20人近くが舞台前にズラッと並びました。 写真では半分しか撮れていませんけど、こんな感じでステージ前の端から端まで警備員が仁王立ちするという状況。女性歌手のコンサートでこんな光景は見たことありませんでした。 この時は何故こんな事になっているのか把握できませんでしたが、思えば客層が前日のラムヤイの時とはだいぶ違っている感じはしていました。 そしてバックバンドの演奏がはじまり、いよいよネス本人が登場する段階になると、湧き上がる客席。中には絶叫する声も聞こえてきます。 そもそもネスは以前から熱狂的なファンを持っていました。その時から他の女性歌手とは違うキャラクターであろう事はうすうす感じていたのですが、新曲のヒットでそれがさらに拡大したようです。 ネスの場合、単なる流行歌手というのとは違い、言動やライフスタイルが同世代から圧倒的に支持されていて、それはカラバオやポンシット・カムピーのような、プア・チーウィット歌手にファンが心酔するのに近いと思ってくれれば分りやすいのではないでしょうか。 インディーブームで自作自演する女性歌手は増えていますが、その中でもネスは特異な存在と言えます。 そんなコアなファンが集まったこの日の会場。何も起こらない方が不思議な空気が充満していました。そして案の定2曲目の終わり頃からざわつき始める客席。ただ、ネスも慣れている様で、落ち着いて状況を確認して「もう少し冷静になってもらう事できますか?」と観客をなだめていました。 これをキッカケに客席に散って行く警備員たち。舞台上からはトランシーバーを持ったリーダーが終始にらみをきかせている光景は、かなりスリリングでした。 結局、コンサート中いざこざは3回ほど起こったようです。 そして終わり間際にも、再度ネスの人気のすさまじさを実感させられた事がありました。終了と同時にネスとの写真を撮ってもらおうと、ファンが一気に舞台裏になだれ込んで行ったのです。その数は前日のラムヤイの比ではありませんでした。 ネスもファン対応は非常に丁寧なのですが、とにかく数が凄いので一体これ何時終わるんだろうか?という状況でした。結局、最後のファンまでなんだかんだで1時間近くかかったでしょうか。 別れ際「またね~」と挨拶をして、翌日のコンサートがある場所へと向かっていったネス一行。 イサーンの最前線を目の当たりにした、衝撃的な夜でした。

【秋のモーラム・ツアー2017】Part6:ラムヤイを追って再びイサーンへ

コンケーンでラムヤイと再会 バンコクでの所用を終えた後は、再びイサーンに戻ってモーラム・ツアー後半戦のスタートです。 まずはイサーン3大都市のひとつコンケーンへ。ここに来るのは1月にモーラム・フェスティバルを観に来て以来です。 10月2日深夜にバスでバンコクを出発し、コンケーンに到着したのは10月3日の朝5時でした。 なぜコンケーンに来たかというと、このモーラム・ツアーでもっとも重要なイベントがあったからです。 それは、ラムヤイが主演を務める映画「プーサオ・カーロッ」の成功祈願式、そしてその日は彼女の誕生日でもありました。 思えばラムヤイと出会ったのは、彼女が17歳になったばかりの2015年10月18日でしたから、それから2年目になる節目の日でもありました。 ラムヤイに会うまでは、ルークトゥンモーラムは好きでも、「一番好きな歌手は誰?」と聞かれた時に即答できない自分が恥ずかしくありました。 しかし、それも彼女と出会った事で、今は「一番好きな歌手はラムヤイ」だとはっきり言えるようになったので、そういう意味でもラムヤイは自分にとって重要な歌手なのです。 インディー・スター大集合! 朝9時から始まった映画の成功祈願式は、さすが旬の歌手が出演する映画とあって、多くのメディアが取材に来ていました。 さらに競演陣には、アーム・チュティマーやラムヤイのバックバンドを務めているPeepoのヴォーカリスト・ネームをはじめ、ゲームサイ・ハイトーンカムやバンド・チューイサーなど、ラムヤイと同じ事務所ハイトーンカム所属の歌手達が勢ぞろいしていました。 また、会場にはモーラムの女王バーンイェン・ラーケーンの娘キャンディーも姿を見せていましたし、この場にはいませんでしたが、ラムヤイと同郷の歌手ダーウ・チャリターの出演も決まったようで、インディー好きにはたまらない錚々たるメンバーが総出演するようです。 ◆映画「プーサオ・カーロッ」予告編 成功祈願式は9時頃から始まり、出演者・スタッフも参加して1時間ほどでつつがなく終わりました。 その後、写真撮影をしたり歓談したりで、11時頃にダラダラと解散。 僕はこの旅の重要な目的である誕生日プレゼントをラムヤイに渡し、無事ミッション完了。ただ、これだけではせっかくイサーンまで来たのに彼女の歌を聴けないままになってしまうので、翌日ルーイ県のチェンカーンであるコンサートで再会を約束し、別れました。 ラムヤイはこの後、タイ南部のナコンシータマラートでコンサートがあるとの事で、その足でコンケーンの空港へと向かいました。一日でイサーン⇒南部、そしてまた翌日はイサーンと、無茶苦茶なスケジュールでつくづく彼女の身体が心配です。 タイ人に人気の観光スポット、チェンカーンへ 翌日10月4日は約束どおりルーイ県チェンカーンへ。 当初、ここへ行く予定は無かったのですが、コンケーンから近かった事とラムヤイのコンサートがあることはもちろん、その次の日はメー・ヂラーポンとネスカフェーという結構良いラインナップだったので、行く事にしました。 後で調べていて分ったのですが、このチェンカーンという所はタイ人に人気の観光スポットだったんですね。僕が行っている時も知り合いのタイ人が何人か来ていましたし、ネットでもここの話題がかなりあがっていました。 しかも今回はタイミングが良く、僕がちょうど訪れた時にオークパンサー(雨安居明け)のイベントが行われていて、以前から観たかったグローン・ヤーウ(กลองยาว)の演奏も観る事ができました。 グローン・ヤーウというのは、読んで字のごとく長い太鼓の事で、これを20人くらいで演奏しながら練り歩きます。これがなかなかの迫力で、華やかなダンサーも含めて見応えがありました。 衰えないプーサオ・カーロッ人気 オークパンサーイベントが終わった後は一旦宿に戻り、小休止した後、ゲストハウスで字電車を借りてコンサート会場を目指しました。 9時頃到着すると会場ではこの日のバックを務めるチューイサーが既に演奏をしていて、客席を温めてくれていました。 ラムヤイは10時ちょっと前に会場に到着。前日が誕生日だった事もあり、ファンから誕生日プレゼントをもらったりしていました。 彼女のライブを観るのは7月以来だったのですが、心配事がひとつ。それは、喉の調子です。 かなり激務が続いていて、7月の時も酷かったのですが、その後ついに声が出なくなった時があったようで、たまたま知り合いがバンコクでのラムヤイのライブに行った時には本人が歌わずに代役に歌わせていたらしいです。 前日にコンケーンで会った時も喋り声がガサガサだったので、歌えるのか気になっていました。 ただ、結論から言うとその辺は心配無用だったようで、喉の調子はだいぶ戻ってきていたようです。 一時期は高音がまったく出ず、裏声でごまかしていたりしてましたが、そういう事も無くなり、完全復活とまではいかないまでも、かなり良くなっていて、安心しました。 この日は特に楽しみにしていた、リリースされたばかりのセーク・ローソーとのコラボ曲も聴く事ができましたし、最後までテンションの高いパフォーマンスを見せてくれて、飽きるほどラムヤイのコンサートを観てきている身としても大満足の夜でした。 ラムヤイがここまで人気ある理由は、単に曲が売れているからというだけではなく、2時間近くのコンサートをダレることなく組み立てられる実力があるから、という事をこのコンサートを観て改めて実感しました。 ヒット曲を出した歌手はこれまでも沢山いますが、2時間どころか1時間の舞台すら持たすことが出来ない歌手も多く、そういう歌手は大抵オファーが続かなくなり、しだいに世間から忘れられていってしまいます。 その点ラムヤイは無名時代から場数をこなして、現場というもの分っていて、確実にお客を盛り上げる術を熟知いるので、こうして引き手数多の状態が続いているんだという事を確認させられた夜でした。多分、曲の人気が落ち着いた後もこの状態はしばらく続くでしょうね。 別れ際、新築したローイエットの実家に来ないかと誘われたのですが、今回はタイミング合わず、残念ながら行く事が出来ませんでした。でも、いずれは実現したいですね。

【秋のモーラム・ツアー2017】Part5:バンコクでモーラム・ライブ2連発

Air Asiaディレイで予定が大狂い イサーンを中心に周っていたモーラム・ツアーですが、行程の半分を終了した所で一旦バンコクに戻って来ました。色々野暮用が有ったという事もありますが、もちろんコンサートも観に行きましたよ。 前日、モーラム・ヂャイグンローイのコンサートを観たマハーサーラカームからは、ローイエット経由で飛行機でバンコクへ。 いつもだったらバスでのんびり移動する所なのですが、夕方にホワイクワンでラムヤイのコンサートがあったので、それに間に合わせる為にこの時はAir Asiaを利用しての空路にしたのですが・・・。 これが大誤算で、予定通りに離陸はしたものの、途中でなぜかラヨーンに緊急着陸して、結局ドンムアンに着いたのは予定の2時間遅れ。急いでホワイクワンに向かったもののコンサートには間に合わず、ラムヤイに会うことは出来ませんでした。 気を取り直してモーラム・コンサートへ という訳で、ガッツリ落ち込んでしまったのですが、この日(9月30日)のバンコク周辺はコンサートが目白押し。行こうと思えばどこへでも行ける状態でした。 タイ人友達からはサゲーガムのブアパン&ボーム、ソットにおいでよ、という誘いもあったのですが、今回はモーラム・ツアーというテーマを重視して、最初に考えていたラッタナシン・インタータイラート(รัตนศิลป์ อินตาไทยราษฏร์)を観にミンブリーのタイワッサドゥ前へと向かいました。 9時頃会場に到着すると、ちょうど本編が始まる所でした。お客は7分の入りといった所でしょうか。ただ、時間が早かったという事もあったので、時間が経つにつれて増えていき、10時頃にはほぼ満員になっていました。 ラッタナシンは自分にとって、まだモーラム楽団の事を良く知らない時から観ていた楽団で、それなりに思い入れのあった楽団です。しかし、今回冷静にステージを観て、ちょっとイメージが変わりました。 他のモーラム楽団を沢山観てきて、目が肥えてきたというのもありますが、ラッタナシンは良く言えば昔ながらの、悪く言えば古臭い感じのステージをやる楽団なんだな、というのが改めてじっくり観て思った感想です。 とびきり上手い歌手がいるわけでもなく、ダンサーなどもビジュアル的に普通。選曲もどことなく古臭くて、全体的なセンスがいまいちという感じがしました。 もちろんそこが良いという人もいるでしょうが(熱心なタイ人ファンは結構いる)、僕にはあまり面白く思えなかったというのが正直な気持ちです。 普段コンサートに行った時はだいたい終わり間際まで観るのですが、この日はそんなちょっとガッカリした事もあり、連日の疲れも溜まったいたので、珍しく11時頃に退散してしまいました。 No.1モーラム楽団の実力 翌10月1日はラビアップ・ワータシン(ระเบียบ วาทะศิลป์)のコンサートを観に、バンナー・トラート通りの家具センターINDEXの前にあるタラート・サハニヨム(ตลาดสหนิยม)へ。BTSウドムスック駅からもそう遠くない場所なのですが(でも、歩いて行くのは無理です)、ここのでやるコンサートに来るのは初めてです。 前日のラッタナシンが自分にとってはいまいちだった事もあって、若干テンションが低かったのですが、なんせラビアップはイサーンガイドが選んだ2016-2017のベスト・モーラム楽団でNo.1になった楽団ですから、その辺を特と確かめさせていただきました。 この日は最初から最後までじっくり観たいと思い、いつもより早めの8時前に会場に到着。しかし、案の定まだ設営の途中でした(笑)。 タラート・サハニヨムはもともと何かの建物があった場所を取り壊して、そこを利用した市場のようです。下がコンクリートになっているので、雨が降っても足元がぐちゃぐちゃになりませんから、いざという時でも安心です。 ラビアップのコンサートはこれまで何回も観てきているのですが、No.1に選ばれたとなれば、やはり見方も変わりますよね。 で、その実力のほどなのですが(偉そうですいません^^;)、やはり勢いのある楽団は違いますね。最新の流行を敏感に察知して、それを取り入れつつもモーラムの基本は崩さないという、見事なステージの組み立て方はNo.1に違わない素晴らしいものでした。 そして、観客の心を一度掴んだら捉えて離さないクオリティーの高い歌と演奏は見事の一言です。自分も時間を忘れてステージに魅入ってしまいました。 あっという間に満員になった会場は、当然大盛り上がり。5時間近く続いたコンサートは途中で帰る人も少なく、最後まで盛り上がりっぱなしでした。 前日のラッタナシンではモヤモヤしたものが残ってしまいましたが、この日は大満足で帰路につくことが出来ました。 ただ、ラッタナシンは流行を追いすぎる部分があると思うんですよね。特にK-POPを意識した演出はタイ人にはウケがよいのかも知れませんが、あまり過度になってしまうのは個人的にはどうかなという思いはあります(日本人的視点ではありますが)。 とは言え、さすが実力がある楽団。トップの座はしばらくは揺るがないだろうと実感した夜でした。

【秋のモーラム・ツアー2017】Part4:モーラム・ヂャイグンローイ@マハーサーラカーム

サコンナコンからマハーサーラカームへ 9月29日はサコンナコンのエーちゃんのお店でお昼ごはんを食べた後、エーちゃんが運転する車でバスターミナルまで送ってもらいました。 次はモーラム・ヂャイグンローイの楽団開きコンサートを観る為に、マハーサーラカムへ移動です。 マハーサーラカームはこれまで何度も通過はした事があるのですが、滞在するのは今回が初めてでした。 午後1時過ぎにサコンナコンを出発したバスは順調に進み、約3時間ほどでマハーサーラカームのバスターミナルに到着。ここである人と待ち合わせていました。 マハーサーラカーム在住の歌手と待ち合わせ その人はドゥンチャーイ・ダーウユア(เดือนฉาย ดาวยั่ว)というマハーサーラカーム在住のラムシン歌手です。 彼女とは以前からSNSでつながっていたのですが、7月に日本に来た際にこのモーラム・ヂャイグンローイのコンサートが行われる場所について聞いたところ、「私が連れてってあげる」と言ってくれたので、その言葉に甘えさせてもらう事にしました。 バスターミナルから彼女のご主人が運転する車で一旦宿まで送ってもらった後、コンサートまで時間があったので部屋で少し休憩し、改めてドゥアンチャーイ自身が運転する車で迎えに来てもらいました。 コンサートに行く前に同乗していたドゥアンチャーイの歌手仲間と街中で食事をし、10時頃会場に到着。会場は民家を縫って行った先にあるという、多分自分ひとりではとてもたどり着けないような場所にありました。 闇の中にあったお祭り会場 車を止めて薄暗い道を歩いて行くと徐々に屋台が増えていき、さらにその先を進んでいくとようやくこの日のコンサート会場が見えてきました。入場料は100バーツ。バンコクは平均140バーツですから、イサーンは若干安めの設定ですね。 中に入ると既に満員に近い混み具合。時間が深くなるとさらに人が増えて行く事になります。 この日はゲストでソムジット・ボートーン先生が来ていたのですが、自分が到着したと同時にちょうどソムジット先生が歌い終わってしまっていたというバッド・タイミング。座る場所を探している時に見た事ある人とすれ違ったのですが、それがソムジット先生でした。 華やかさを増した絢爛のステージ ドゥアンチャーイが座る場所を探してくれて、そこで一息つくと、ステージにはちょうどこの楽団のマスター、ボーイ・シリチャイが登場しました。イサーンの女性には絶大な人気のあるボーイ。男の自分には正直どこに魅力を感じているのか、イマイチ分りませんが(笑)。 実はモーラム・ヂャイグンローイのコンサートはあまり観た事がなくて、観た事あるのは今年(2017年)の1月にラムイントラとコンケーンで行われたモーラム・フェスティバルの2回のみです。 それでも自分がこの楽団を気に入っている理由は、ビジュアル的な美しさと充実した歌手勢にあります。男目線で言えば、これだけ綺麗どころが揃っている楽団は他にありません。また、女性目線でもイケメンが揃っているようで、先のボーイ・シリチャイをはじめ、熱心なファンが高額のチップをあげている場面を良く目にします。 そんな特徴をもつこの楽団、新シーズンはさらに豪華さが増したように感じます。ステージのセットは元より、歌手やダンサーが着ている衣装も前シーズンより見栄えがするものが多くなったようで、観客の目を大いに楽しませてくれました。 それと、個人的に嬉しかった事がもうひとつ。それはお気に入りの曲に出会えた事です。 その曲はテウ・スヂットラー(แต้ว สุจิตตรา)が歌っていた「プラウェート・サンドン・チャードック(พระเวสสันดรชาดก)」という、民話を題材にした曲です。 アップテンポなんですが、サビも無くワンコードで朗々と歌われるこの曲。そのカッコよさに寝ぼけていた頭を目覚めさせてくれた1曲でした。 テウの歌は線が細くて、音程も若干不安定な部分があるのですが、そんなマイナス面も補って余りある素晴らしさで、テウに対する印象もがらりと変わりましたね。 歌手仲間も観に来る賑わい シラピンプータイの時もそうでしたが、日付が変わった頃から俄然盛り上がり始める会場。昼間に雨が降ったせいもあって、足元がかなり悪い場所もあったのですが、そんな事はお構いなしに地元の人たちは踊りまくっていました。 余談ですが、この日の会場にはモーラム関係の歌手も何人か来ていて、一緒に観に行ったドゥアンチャーイが会場で仲間の歌手を紹介してくれたのですが、その人はなんとGrammy Goldのソーン・シンチャイ(ศร สินชัย)でした。「知ってる?」とか言われたけど、そりゃ知ってるに決まってるでしょw それと、会場内をうろついている時に「P'Gen!」と声をかけられ、振り向くとエーム・アパサラー楽団の歌手ウムちゃんがいました。 彼女からは10/7にローイエットでエーム楽団の楽団開きコンサートがあるから来ない?と誘われ、その時は行く気満々だったのですが、場所的に深い事もあり、残念ながら行く事は出来ませんでした。 そんな色々楽しい事があったこの日のコンサートだったのですが、翌日ローイエットから飛行機でバンコクに戻らなければいけない事もあって、後ろ髪を引かれつつ3時過ぎに宿に戻りました。 ドゥアンチャーイに頼りっぱなしになってしまった、今回のマハーサーラカーム訪問。彼女に助けてもらわなければ確実にたどり着けない場所だったという事を考えると、ドゥアンチャーイの優しさに感謝の念でいっぱいです。

【秋のモーラム・ツアー2017】Part2:シラピン・プータイ@ガーラシン

はるばるイサーンの奥地へ モーラムツアー2日目の9月27日は、まだ始まったばかりというのにいきなりメインイベント的な濃い1日となりました。 この日の目的は、ガーラシンのカムムアンにある楽団宿舎前で行われる、シラピン・プータイの楽団開きコンサートを観に行く事。 本当は前日に深夜バスでガーラシン入りしようと計画していたのですが、直前に26日にバンコクでプラトム・バントゥンシンのコンサートがあるという情報が入ったので、一旦バンコクに宿泊して、次の日にガーラシン入りするという予定に変更しました。 私にはタイ国内の移動は出来るかぎりバスを使うというポリシーを持っているのですが、今回は時間的に間に合わないので、やむなく飛行機を使う事になりました。 ローイエット経由でガーラシンに向かう ガーラシンには空港はないので近隣の空港がある県を経由してガーラシンに入るという方法になります。そうなるとコンケーンかローイエットのどちらかになるのですが、今回はローイエットを選択。しかし、これが大失敗でした。 その理由は、ローイエットの空港は中心部から結構距離のある場所にあるという事と、空港から中心部へ行く方法がタクシーかモーターサイ(バイクタクシー)しかないという事です。 空港から近い場所へ行くならモーターサイでも良いのですが、自分の場合はバスターミナルへ行かなくてはならないので、そうなるとタクシー択一になってしまいます。しかも、空港からバスターミナルまでは300バーツもかかりました。 今回は飛行機を利用してガーラシンに向かうのは初めてという事もあってローイエット経由にしましたが、次回以降はコンケーン経由で行く方が良さそうです。 さらにロットゥーに乗り換えてコンサート会場を目指す ローイエットのバスターミナルからバスに乗ってガーラシンに到着したのは午後3時頃でした。しかし、目的のコンサートが行われるカムムアンは、ここからさらにロットゥー(乗り合いバン)で1時間半行った先にあります。 30分ほど待ってやって来たロットゥーは既に満員。プラスティックの椅子で無理やり場所を作ってカムムアンへと向かいました。 車内にはおしゃべりなオバチャンがいて、「何しにカムムアンに行くんだ?モーラムを見に?ヒャーヒャヒャ」というお決まりのリアクションがあったりで、午後5時頃ようやくシラピン・プータイの宿舎前に到着。会場では舞台設営の真っ最中でした。 予想通り周りには大したものがほとんど無い場所。しかし、地元の人達にとっては待ちに待ったお祭りとあって、宿舎周辺に沢山の屋台が出ておりました。 とりあえず今回カムムアンに来る事で宿の手配をしてくれたシラピン・プータイの歌手プローイに挨拶。プローイには事前にこのコンサートに行く事を伝えた所、「泊まる所はどうするの?決まっていないんだったら、私がしておいてあげる」と、予約をしてくれたのでした。 そもそも、そんな辺鄙な所に宿があるのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ホテルはさすがに無いものの、モーテル(タイではリゾートと言われています)は所々にあるので、そこに泊まる事はできます。 プローイに挨拶した後、バンコクから来ていたモーラム・ファンの車に乗せてもらい、宿にチェックインし、一休みした後、9時過ぎに改めてコンサート会場であるシラピン・プータイ宿舎前に来ました。 舞台前には今か今かと待ちわびる人たちと、この日を楽しみにしていた村の人たちがわんさとやって来ていました。 コンサート開始まで舞台裏見学 バンコクでモーラム・コンサートが行われる場合は午後8時前後からスタートしているのが普通ですが、この日は9時に到着した時点でまだ始まっていませんでした。 コンサートが始まるまで少し時間がありそうだったので、お気に入りの歌手に挨拶がてら舞台裏をちょっと見学。 そこには舞台衣装が至る所にあり、さすが拠点でのコンサートとあって、ツアーの時より豪華なステージになるのでは、と予感させるものでした。 そうこうしている内に観客もどんどん増え、10時近くになった頃、いよいよ新シーズンのオープニングコンサートが開始されました。 モーラム最高峰の豪華ステージが開幕 長い間楽しみにしていた、このコンサート。それはお気に入りの楽団という事もありますし、自分にとってはイサーンで観る初めての楽団開きという事もありました。 やはりどの楽団にとっても、この新シーズンの1発目というのは色々な意味で特に重要なコンサートのようです。 その気迫が始まった瞬間から伝わってくる、観客を圧倒するサウンドとヴィジュアル。前シーズンの時も感じていましたが、やはりこのシラピン・プータイは数あるモーラム楽団の中でも最高のクオリティーを誇っている楽団である、とオープニングから改めて実感させられました。 高いテクニックを持ったバンドとダンサー、壮大な舞台セット、豪華な照明、そして何よりも充実した歌手たち。主宰者であるウィーラポン・ウォンシン師の美意識が見事に反映された素晴らしいステージに見惚れました。 ただ、気合が入りすぎて、ちょっと力んでいる歌手が何人かいたりしました。でも、その辺は愛嬌もありますし、ステージをこなしていけば自然と解消されていくでしょう。 これはマニアックな情報ですが、今季からヌーパーン・ウィセートシン(หนูภารวิเศษศิลป์)にいたプレーワー・ガーラシン(แพรวา กาฬสินธุ์)がシラピン・プータイに移籍してきています。ヌーパーンでは看板歌手だったプレーワー。この楽団でも活躍してくれる事を期待しています。 あと意外だったのが、観客がいまいち盛り上がっていないことでした。 観に来ている人たちは楽団の拠点が地元の人たちですから、さぞや楽しみにしていたでしょうし、実際早くからゴザをひいて場所を確保していた訳ですから、その期待感はよそ者の自分にも充分伝わってきていました。 しかし、いざコンサートが始まっても後ろの方で少し踊っている人がいるくらいで、ほとんどの人たちは座ってじっと見ているだけでした。こんなものなのかな、とちょっと拍子抜けしてしまいましたね。 でも、それは自分が本場イサーンのモーラムを知らないから、という事をこの後思い知らされるのでした。 イサーンで盛り上がるのは夜中1時過ぎ! 充実したステージに夢中になり、気がつけば12時を過ぎていました。バンコクなどの都市部では大体1時頃までにコンサートが終わるのですが、ここイサーンではその時間になっても全く終わりそうな気配がありません。 SNSに投稿されているコンサートで撮った写真を見たりすると、どうも明け方に歌っているような写真がちらほらあったので、もしかしたら朝までやるのかなという予感はありました。 実はその辺を期待しての今回のイサーン訪問でもあったのですが、予想通りコンサートは深い時間になってもまだまだ続いておりました。 それどころか、それまで大人しかったお客さんが1時を過ぎた頃から続々と踊り始め、夜中の2~3時頃がピークと言えるほどの盛り上がりでした。これは、この後観に行ったモーラム・ヂャイグンローイやシアン・イサーンでも同じでしたから、イサーンでは夜中が一番盛り上がる時間帯なんでしょうね。 中にはお年寄りや子供もいたりしますし、寝ている人もいるのですが、その辺はもう自由。モーラムはどんな楽しみ方をしても良いんです。 ちなみに1時以降はお芝居と歌が交互に繰り返され、それが明け方まで続きます。こういうタイムレスな感覚は今はイサーンでしか味わえませんね。 明け方にこそモーラム・コンサートの醍醐味が凝縮されている 永遠に続くのではないかと錯覚しそうな時間はまだまだ終わりそうな気配はありません。酔っぱらいにお酒を飲まされたり、顔に白粉塗られたりしながら、宴は続いておりました。 そうこうしている内に空が白々と明け始め、いよいよ楽しい時間も終わりに近づいてきました。 8時間近く続いたこの日のコンサート。舞台に立っている人たちも大変ですが、観客もさぞ疲れているだろうと思っていましたが、それどころか皆明け方でナチュラルハイになっているのか、ここぞとばかりに踊り狂っておりました。 まさか、明け方が一番盛り上がる時間だったとは!これはイサーンに来てみないと分からない事実でした。さすがにピーク時の2,3時頃に比べれば、帰ってしまった観客もいましたが、それでも結構多くの人が残って、最後の瞬間を楽しんでいました。 中にはこれから仕事に行くであろう、近くの銀行の制服を着た女性も観に来ていたりして(終わり間際は無料で観られるので)、面白い光景が見られたりもして。 7時ちょっと前に大盛り上がりで終了した、この日のシラピン・プータイの楽団開きコンサート。本当に貴重な体験が出来て、大満足の1日になりました。 最後は本当は疲れているであろうプローイが、自ら運転する車で宿まで送ってくれたりして、最後までお世話になりっぱなしでした。 今度はシーズン最終日のコンサートを観に来たいなと、今から計画しております。

【秋のモーラム・ツアー2017】Part 1:プラトム・バントゥンシン@タイワッサドゥ・ミンブリー

いよいよ始まりました!モーラムの本格シーズンの到来です。 モーラム楽団は通例、雨季が明ける10月頃から徐々に活動を開始します。 しかし今年(2017年)は10月26日にプミポン前国王の葬儀が予定されていた為、その前後は活動を控えるという事で、特例的に9月からの楽団開きとなりました。 今回の訪タイはラムヤイ・ハイトーンカムの誕生日が10月3日なので、それを中心に計画していたのですが、その前後に楽団開きをするモーラム楽団が結構あったので、結果的にモーラムツアーみたいになりました。 まず最初はバンコクに到着した当日の9月26日にミンブリーのタイワッサドゥ前でプラトム・バントゥンシンのコンサートがあったので、それを観に行って来ました。 バンコクには予定通り到着したものの、ちょっとしたすったもんだがあって、結局会場に到着したのは21時半頃。コンサートもすっかり始まっていました。 前回タイに来た時も運良くプラトムのコンサートを観る事が出来たのですが、その時は雨季という事もあり、ミニ仕様(大きなセットではなく、シンプルなステージのコンサート)でのプラトムでした。 ミニ仕様はそれはそれで楽しいのですが、やっぱりフルセットを観てのモーラムですので、今回は楽団開き後という事もあって、完全版仕様のステージを観る事が出来ました。 前季も何回かプラトムのコンサートは観ていたのですが、今季はさらにパワーアップしていたようです。     何が違うかと言えば、やはり一番大きいのはステージセットと衣装ですね。 どの楽団もそうなんですが、年々豪華になる傾向があって、特にプラトムなのどのトップ楽団はお金をかけているようです。 前季は吊りものを使っている楽団がありましたが(今季も使われていました)、この日のプラトムでは本物の火を使っていて驚きました。火を使っているのを観たのは初めてです。 それと気になるのが、今季はどんな曲が選曲されているかという事ですが、意外だったのがチンタラー・プーンラープの「タオ・ゴーイ」の人気です。この日はこの曲が歌われるとサビで大合唱が起きていました。 他にもタカテーンの「ガイ・ゴーン」やポン・ヂャンタポンの「プーニープ・イーピ」はこの日以外の他のモーラム・コンサートでも必ず歌われていましたね。 また、シーズン開始に合わせて看板歌手がオリジナル曲を発表するのも最近の傾向と言えるでしょうか。 この日も主要歌手のエーン・オラディーが「ラック・ター・サムーヂャイ(รักเธอเสมอใจ)」、マイ・パッチャリーが「ナーノーン・ヤイ・ソンヂャイ・ボ・アーイ(นาโนนใหญ่สนใจบ่อ้าย)」といったオリジナル曲を披露していました。 しかし、モーラム楽団が動きだしたからとはいえ、前倒しでの開始の為、心配なのは雨でしょうか。 この日は途中小雨がぱらついて、もしかしたら降るかなという場面もあったのですが、何とか12時まではもちました。 しかし、その後大粒の雨が降って来たと思ったら、一気に土砂降りになり、残念ながらコンサートも強制終了となってしまいました。バンコクでのコンサートはだいたい1時くらいまでなので、もう少しもってくれれば良かったんですが・・・。 でも、プラトムの豪華なステージが少しでも観られただけでも大満足のモーラムツアー初日でした。

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